高校生の放課後 （その１１・結末編 配給電車廃車回送）

古いものを追いかけている以上、楽しいことには終わりは来るものです。
山手線、京浜東北線のATC化によって、終焉の時がやってきました。
ある日、友人からその配給電車の廃車回送の情報をもらいました。
配給電車ばかりが６両つながって改装されるとの話でした。
私も既に高校生ではなくなっていましたが、高校生時代に飽きもせずに見てきた配給電車の最期の姿はこの目で見たかったです。



クル２９００１　８０．１２．１６　大崎

廃車回送情報を入手しましたので、万難を排し（多分授業はすっぽかしたのでしょう）大崎に向かいました。
そこには見たことのない珍奇な編成が出発の時を待っていました。
中間にクモニ１３が入っているとは言え、配給電車だけの６連というのはどこか不気味でさえありました。


クモル２４０２０　８０．１２．１６　大崎

通いなれた古巣を後に帰らぬ旅路につきます。
編成の殿にはモハ３１の姿を良く残したクモル２４がついていました。

クモル２４０２０　８０．１２．１６　大井町ー大森

品川で回送電車はスイッチバックして、京浜東北線を一路大船にむかいます。
私はその後の都合もあって、近場の大森の大井町よりの場所で待ちました。


クル２９００１　８０．１２．１６　大井町ー大森

線路の上を走れるのもあと一時間程度。
昭和一桁生まれの電車達ですので、天寿を全うしたとも言えます。
私が見た配給電車・最期の力走でした。