木造電車庫、最終回です。
とりあえず、試作品は無事組めました。
設計のイメージとはあまり相違はない印象の仕上がりとなりました。
いくつかの修正箇所と追加部品のお願いをエムズさんにはお願いをしました。
木造電車庫本体完成後、周りにターフを撒き、各種出ているミニネーチャーの草を植えたり若干の樹木も植えてみました。またエアブラシで油汚れや、錆・埃などのウエザリング等も終わらせて、細かいパーツでメイクアップを終えた完成画像です。
これまた竣功間近の地鉄電車を置いてみました。
本人的にはなかなかの雰囲気が出たかな、と思っています。
京福電車の永平寺の車庫みたいです。
こちらは張り出し室があって見栄えのする「公式側?」です。
電気機関車を入れて機関庫にしても違和感はなさそうです。
ところでこの張り出し室、さまざまな形態がありますが、こと左右のどちらについているかという位置については、いろいろ調べてみるとなぜか正面から向かって右側にあるケースが多いのです。別に決まりがあるとは思えませんが、不思議です。
こちらは張り出し室のある側の裏面です。
裏面の妻板はシンプルな仕様になっています。
こちら側をスルー構造にしてこちら側から機関庫内を覗くというのも面白そうです。
次作ではチャレンジしようと思っています。
張り出し室のない反対側は「車庫裏」ふうに仕上げました。
私の印象では車庫の陽の当たらない裏側は人気が無く草がぼうぼうで、立ち入るとすぐに蚊に刺されてしまうようなところ、というイメージがありまして・・・それを再現してみました。
屋根を外して、内部を見てみます。
小屋組みがやはり効果的です。
市販の完成品を入れてパンタグラフのクリアランスを確認してみます。
実際はあり得ない組み合わせですが・・・趣旨が趣旨なので気にせず見てください。
クリアランスを取りすぎてノッポになってしまうのは嫌なので、手元にあるパンタものの機関車および電車(TOMIX、KATO、天賞堂、エンドウの4社の製品を標準にして・・以上各社はほぼ類似数値が出ました。それ以外の某社製品は異常に高く跳ね上がったので除外しました)で普通にパンタを上げて実測した最大数値でカツカツになる数値で設計しました。
左のTOMIXは楽々クリア、右のKATO製品でクリアランス1mmでカツカツクリアです。
フレキシブルレール直置きする場合には車種を選んでしまうかもしれません。注意が必要そうであります。
我が家の唯一のブラス完成品で虎の子の江若キニを置いてみました。
正直・・・電車よりも似合う・・・ような気もしてきます。
という訳で、今回の私の作例は個人的好みで電車庫をイメージしましたが、非電化路線の機関庫(検修庫)にも良く似た実例はたくさんあり、建物自身の設計は特段(というか・・敢えて汎用性を考えて高さ方向は電車に合わせているもののそれ以外は)電車専用の設計ではありません。
そこで、非電化線で応用できそうな実例からいくつか抜粋します。
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別府港構内 83.3.11 |
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二枚とも 83.3.11 別府鉄道 別府港 |
別府鉄道別府港の構内です。
のんびりとした雰囲気の構内の奥にある機関庫です。
スタイル的には側面の窓の個数を別にしたら共通項がかなりありますね。
妻板上部はなぜかトタン板張りの実例が割合が多い気がします。
ここには社紋や安全標語を入れたいですね。
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90.6.18 姫新線 佐用 |
姫新線佐用駅の姫路方にあった駐泊所です。国鉄近代型の車庫のスタイルをしています。
佐用と言えば近年は水害で大変なことになった場所ですが、実に静かな山間の街でした。
姫新線の佐用折り返しの客車列車を牽引してきた機関車が一夜を過ごす施設です。
朝靄の中、仕業点検を行ったDE10が庫内から給水塔の前まで出てきたところです。
この時点でも給水塔が残っていましたので、この風景で機関車をC11や8620あたりの蒸気機関車に変えても全然おかしくないしつらえです。
今回の私のジオラマふうモジュールはこの配置にヒントを得ています。
今は智頭急行が乗り入れて全く風景が変わってしまっているのではないでしょうか?
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二枚とも 87.10.8 小湊鉄道 五井 |
こちらは今も見られる、小湊鉄道の五井の車庫です。
上の写真の左側の気動車は元三信鉄道の電車にエンジンを積んで気動車に化けたちょっと変わった改造車ですね~すみません、今回の趣旨とは関係ないですね・・・
こちらは二線とも前後スルーの構造になっています。このスタイルも中が見通せて面白いです。
また、今回のキットの設計では、一番手前の線路間中央の柱は敢えて無くしていますが、柱があるのも良いですね。
横の作業所部分の張り出しは車庫全体に及んでついています。
菱形の安全標識が雰囲気を盛り上げています。
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86.11.8 日鉄鉱業 羽鶴 |
こちらは日鉄鉱業の羽鶴の車庫です。
それなりに冷え込む栃木の山間地な為なのでしょう、扉付です。
周辺仕方が参考になるのでは。
以上、簡単に非電化線での実例を紹介しました。
エムズさんに確認したところ、発売は来月6月の下旬を目標に「木造検修庫」という商品名でリリースをする予定だそうです。
今回の電車庫製作の目的は、キットのあくまで試作と完成作例画像撮影が目的ですので、基本はストレート組です。
私個人としてはこの後じっくりと地鉄電車用に別途電車庫モジュールを作ってみたいと思っています。