お知らせです。
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悲願の本、完成! |
9月30日、拙著『昭和の鉄道施設・東日本編』が発売になります。
既に一部書店では発売になった模様です。
手元に出来たてホヤホヤの本が届きましたので宣伝します~。
内容は最初から最後までひたすら駅舎をはじめとした駅構内構造物とその駅周辺の各種建物を中心にしたストラクチャーばかりの写真集です。
この写真集を作ったきっかけは、簡単に言うとこの種の本が世の中に見当たらないなら、自分が作ろうと思ったからであります。
そして本を作るなら地面派モデラー向けに、現在まとまった資料が皆無と言って良い国鉄民営化前後の昭和の鉄道を取り巻くストラクチャーを概観出来る資料を提供したいと言うことにありました。
私自身、『地鉄電車』を創るにあたってネット検索なんて存在しなかった当時、その参考資料集めに大変苦労をしました。
その時に手元に置いて役に立つ資料の必要性を痛感しておりましたが、現実的には色々な記事に埋もれた何気無い情景写真をこまめにスクラップした資料以外は、自分の足で集めた写真やその時感じた臨場感が頼りでした。
その資料集めのための取材旅行がいつの間にか建物巡り自体を楽しむ自分の趣味の一分野と化すようになりました。
そしてその約30数年の蓄積がそれなりのボリュームになってゆきました。
今回の本はライフワーク的になってきたストラクチャー探訪の成果を纏めたものです。
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本文部分はこんな雰囲気です |
上記のような理由から、本書はモデラー目線をコンセプトにしていますので、例えば駅舎にしても格好の良い正面からの『絵になる』画像は勿論あるものの、あまり格好のよくないホーム面や側面等、できるだけ四方の様子がわかるように心がけて編集をしたのが特徴です(上の写真の感じです)。
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駅舎をサンプルにした基礎データも掲載 |
また、建物を設計・製作するのにネックになる最低限の実物の基礎知識と製作するのに役に立ちそうな図面や各種寸法や傾向的な数値データも合わせて掲載をすることで、模型製作の一助になればという思いもあります(同じく上の写真のような絵入りでの解説をしてみました)。
この本、実は構想から約20年以上かかって実現に至りました。
実現までの道程は長かっただけに出版に漕ぎ着くことができたことは感無量です。
名取編集局長のご配慮で、内容は基本的になるべく削らない様に東日本と西日本の2冊に分冊にしようとの提案を受け、喜んでお願いを致しました。
今回はその前編・東日本編です。
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過去の資料も抜粋 |
上記の話しと若干ダブりますが、モデラーの目から見た鉄道関連の施設・ストラクチャーの参考書といえば河田耕一氏の『シーナリーガイド』が何と言っても一番のバイブル本で、尚且つ空前絶後と言っても差し支えない状況です。
そしてその後に続くものは中々出ないままに現在に至ってしまっています(モデラーからの視点という点ではアプローチが若干違うもので次に参考になる本としては大正出版刊『鉄道風景懐古』があります)。
そのバイブル本『シーナリーガイド』もかなり前から入手不可能(改訂版のような存在の『鉄道風景30題』は入手できます)な状況になっています。
鉄道趣味の中でも余り顧みられないというか陽の当たらない分野なので致し方ないのかもしれません。
河田氏のガイドは蒸気機関車が元気だった1960年代までの鉄道風景を氏特有の文章と共に綴られており、読み物としても楽しめる内容となっていますが、その後の国鉄民営化前後を挟む1970年後半から2000年頃までの鉄道風景も急速に過去のものになりつつあります。
有名な駅舎は市民運動で保存が実現したり近年は産業遺産の認識が少しづつ芽生えてきたことで以前よりは古い建物類に対する意識は若干改善したものの、日本全国大半の懐かしい鉄道施設はそんなことを顧みられる事もなく、いつの間にかこの世から消え去ってしまっています。
特に、国鉄民営化後は合理化によって遊休化した建物に対する税金対策から、急速に不要なものは撤去される傾向が顕著になってきています。
そんな鉄道施設の記録を後世に残すことは鉄道システム全般の記録として陽の当たる車両等と同じレベルで大切なことではないかとChitetsuは思っております。
そこで、誰もやらないなら河田氏の著作の『その後版』を、不肖私がやりたいなと大胆にも思ったのが約20年前のことです。
そしてその想いを理解してもらえるのはきっとネコ社であろうと考え、スタッフに自分の気持ち伝えることから始めました。
そして写真や資料整理・ラフ原稿を作成するなどの作業を開始、実際にその一部が具体化したのは12年前の2001年に発売になった『地鉄電車慕情』でしたが、こちらの本は私の作った模型の世界が大半を占めるものでした。
本当はその時に私は地鉄本よりも今回上梓することができたストラクチャー本を出したかったものの、ネコ社スタッフからは売れ行きの懸念等から先ずは先行で地鉄本から発売をして様子を見るのがベターだろう、という経緯で了解していたのでありました。
ただ、地鉄本発売時点では既に原稿はあらかた書き終えていましたので、それからの諸事情で干支をひと回りしてしまった訳であります。
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只見線・会津宮下 |
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磐越東線・大越 |
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津軽鉄道・金木 |
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栗原電鉄・若柳 |
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南部縦貫鉄道・坪川 |
内容が内容ですので万人向けではありませんし、本の値段も3,000円超と高いものになってしまっているのがなんともですが、息の長い書物になってくれればと期待をしております。
もし宜しければお手にとって眺めて頂ければ幸いです。
(ほぼ同内容の記事で写真違いバージョンを姉妹ブログにも掲載しました⇒
こちら)