鉄道に限ったことではありませんが、日本の産業遺産に対する意識はまだまだ低いのだなと痛感させられることもまた多い気がします。
ここに紹介する羽後交通の二両の保存電車はその明暗をはっきりと分けた実例と言えましょう。
デハ5 90.9.30 湯沢市役所 |
デハ5 90.9.30 湯沢市役所 |
車内もご覧のように荒廃していました。
台車周りのアップです。
この電車は直接制御なので、床下は至ってシンプルです。
このデハ5、当然ながらこの後解体されています。
余り見向きもされずに荒廃して解体・・・自治体が管轄する保存車に良くある話です。
蒸気機関車は鉄の塊なのでかなり荒廃しても塗装をすればそれなりになんとか保つことができるのしょうが、キャンバス張りの屋根を持つ電車や客車はそうはいきません。
鉄道の保存車だけでなく、色々な産業遺産に対しても言えることですが、先を見て維持することに対する予算を計上できない役所のこのような出来事は残念ながらいろいろな場面でいまだに見られるのが残念です。
90.9.30 あぐりこ |
途中現役時代にあった変わった駅名のあぐりこ駅を探しました。
バス停にその姿を留めるだけで駅の跡がどこなのかはよく解りませんでした。
デハ3 90.9.30 梺 |
こちらのデハ3は建物の中に大切に保存されていました。
その分、写真を撮るのには難渋しますが。
電化開業時からの電車です。
デハ3 90.9.30 梺 |
ミント状態の保存電車と言えるでしょう。
いろいろと考えさせられる、明暗がはっきりと別れた羽後交通の保存電車訪問記でした。