古い建物や街並みをめぐる紀行・地方電化私鉄以外の駅関係の写真については兄弟ブログ(「古い建物と街並みをもとめて」・アドレスは右側の兄弟ブログらんの「古い建物と街並みをもとめて」をクリックしてください)にアップすることにしました。  こちらも是非ご覧下さい(但し、こちらのブログは駅の写真以外は鉄分ほとんどありません。悪しからず)。

Sunday, June 30, 2013

昨晩はあの方を交えて『地鉄会』。

昨晩は私の地鉄電車の原点になったM井さんを交えての『地鉄会』が催されました。

13.6.29 道玄坂
場所は先週行ってきた台湾に逆戻り・・・なここで。
台湾料理では昔から有名なお店で(だそうで)、地元台湾の人も絶賛だそうです。

さて、メンバーは今回の段取りをしていただいた学生時代からの同級生のCedarさんと、何故かそのCedarさんと偶然ご近所のあのおっちゃんこと鉄犬殿と私の合計4名。
結構爺な面々が渋谷は道玄坂の若者の群れに紛れて密会しました。

TMS78年6月号
私にとっては衝撃的な記事でした

いちばん気に入ったピカイチ車輌

私の地鉄電車発足のきっかけになったのはTMS78年6月号に掲載されたこの記事でした。
こちらで紹介された『鯨川地方鉄道』のコンセプトに当時高校生だった私はいたく共感して、それが『中越地方鉄道』に結びついていったのであります。
その点では私にとってM井さんは『ご教祖様』的存在でしたが、このところのブログのお付き合いが昂じてついにそのご本人対面に行きついたのであります。

乾杯 ( ^^)/▽▽\(^^ )

そしてまずは中華テーブルを囲んで・・・乾杯~!

TKK7200@おっちゃん特製

あのおっちゃんが最新作を持参、見せびらかしておりました。

鉄コレをここまでやるか!のデハ7200

相変わらずの小細工が光るこの作品、もう鉄コレ加工の域を超えています。

鯨川の電車に刺激を受けて作った
初期の私の地鉄電車(1981年)

私もおっちゃんに負けずに見せびらかさねばいけない物を持って来ました。
当然私が持参したのは『鯨川地方鉄道』の記事に刺激を受けて作った北陸鉄道風張り上げ屋根電車です(上のTMSの記事を参照)。
これを『ご教祖様』に見て頂くのは光栄であります。

筆者持参のとれいん誌と食べカス

ご本人は『鯨川地方鉄道』の次にとれいん誌に発表された『イワキ交通』の本を持参されていました。
これも刺激的でしたね~。
昔良く見入ったものです。
私の『岩倉町駅』もこの作品から頂いている部分が多々あります。

ご本人のお話で、

『鉄道を作る楽しみは、地図を作る楽しみに似ている。
沿線の人口、地域の産業を考えると自ずとそこを走る交通機関としての鉄道のあり方が決まってくる。
路線延長、列車回数・・・そうするとそこを走る車両の両数やタイプも決まってくる。』

この『心象鉄道』誕生までのプロセスを楽しむアプローチの仕方、全くもって同感であります。
濃~い内容の話で盛り上がった夕べでした。
今回の会を段取り頂いたCedarさん、ありがとうございました。
また飲みましょうね。

Saturday, June 29, 2013

台湾に吊り掛け電車をもとめて〜その2

台湾鉄道三昧の旅、2泊3日ですのであっという間に最終日です。
最終日の様子はこちらもご覧下さい(⇒いすみ鉄道社長ブログ 台湾鉄道三昧の旅 最終日)。



 13.6.24 左營

最終日は朝6:30出発で、台湾新幹線で台北に一気に戻ります。
高雄側の始発駅は左營。
新大阪みたいな感じですが、新高雄なんて駅名ではありません。
台鉄の自強号あたりは左營の駅は平気で無視して終点高雄まで止まりません。
このあたりが経営主体の違いなのでしょう。


 13.6.24 台北

台北駅で在来線に当たる国鉄線に乗り換えます。
最初の旅程表ではバス移動だったのが、往復電車移動に変更になるあたりも普通では考えられないと言うかクレームになってしまいそうな変更など、鉄道好きに配慮したこのツアーが只者ではないことを裏付けています。

E231 13.6.24 台北

列車待ちの間に反対側ホームにやって来たのは、電気機関車牽引の客車列車です。
こんな列車が首都の地下駅にしよっちゅうやって来るのも驚きです。


日本では四半世紀前には消えてしまった風景ですね。

 13.6.24 七堵

電車で向かったのは台北郊外の七堵機務段です。
こちらは日本で言うところの田町電車区+東京機関区のようなところで、広大な構内には機関車、客車、電車があちこちに分散して止まっていました。
事務所の入口にはここでも歓迎札が。

EP101 13.6.24 七堵

ここでの私のお目当ては、やはり吊り掛け電車です。
こちらは台湾で1978年に最初に導入された電車EMU100形で、イギリス製の特急車で、吊り掛け駆動の電車です。

EP101 13.6.24 七堵


仲間の大半は既に鬼籍入りをして、残っているのはひと編成だけとの説明がありました。

EP101 13.6.24 七堵

こちらは恐らく放置中の仲間です。

EM306 13.6.24 七堵

検修庫で点検中のEMU300形。
こちらはイタリア製で、新造時最駿足の吊り掛け駆動の電車です。
用途は100形と同じく自強号(特急)用の電車で、客用扉は手動だそうです。

EM306 13.6.24 七堵

正面のアップ。
特別にヘッドマークを(両面テープで)付けてくれました。

EM306 13.6.24 七堵

前面は横から見ると斜めになっている辺りは流石イタリアンデザイン?
このゴツイ緩衝幌、阪急のPー6を思い出します。
このEMU300形を製造したイタリアのSOCIMI社はその後倒産してしまったそうで、現在は部品の確保に難儀しているそうで、どうしても稼働率が落ちてしまうようです。
これは最近日本から輸入した電車以外ではかなり故障に悩まされているようで、初日に乗ったEMU1200形が故障で一時運用から外れていたことでも分かります。
この電車を作った南アフリカの会社やその後に納入した韓国のメーカーはどちらもアフターフォローが悪かったようで、最近の電車調達の入札にも参加ができなかったようです。
仕事では身につまされる話ですが、パートナー選びは難しいですね。

R153 13.6.24 七堵
群がる集団 13.6.24 七堵

構内では他に電気式ディーゼル機関車のターンテーブル回転サービスや・・・

13.6.24 七堵


日本の大正天皇が乗った貴賓車の見学も出来ました。
左は貴賓車老朽のため新造された第二世代の貴賓車。

E210 13.6.24 七堵
E210 13.6.24 七堵
こちらは出庫するところを区の方が待たせてヘッドマークをつけて記念撮影をしようとする場面です。
運転手の方もニコニコです。

E1061 13.6.24 七堵


最後は、車庫を出庫する自強号に専用ホームから乗せて貰い、区長さん他皆さんの笑顔に見送られてそのまま台北へ戻り、短くも濃厚な鉄道三昧の旅が終わりました。

切符各種
移動中の切符各種。
同じ自強号でも切符の大きさはマチマチのようです。
右側上の切符は新幹線の切符で、その下は最終日に訪問した七堵機務段の見学証明書で、日本語+区長(正確には段長)のサイン入り。
こんな配慮も嬉しいですね。

現業機関でのお土産品
お邪魔した現業機関で頂いたもの。
左側の本は開通100年記念誌、その右の貴賓車のパンフは今回の訪問に合わせて刷っていただいたらしく、訪問当日の日付が入っていました。
嬉しいですね・・・こういうもの。

その他のお土産

その他のお土産品です。
台北ほか大きな駅数駅には鉄道グッズを扱うショップがあって、色々なものを売っており、また駅構内のセブンイレブン(多数存在)にも鉄道グッズが売られていました。
そんな中からいくつか購入しました。
左側の切符は俗に言う縁起切符で、ショップで販売するものを鉄路局からプレゼントしていただいたものです。
手厚い配慮の数々・・・嬉しい限りです。

今回の旅を総括しますと、
①初めての台湾は想像よりもよっぽど治安も良く、人々は明るく親切。
日本語の通じない沖縄県に行ったみたいで違和感が無かった。
②日本よりも考え方が合理的で理に叶っているものも多く、却って日本が見習うべきことも多い気がしました。
③企画者が鉄道好きコンビという事で大変内容の濃いもので、現場の方々何処でも大変良くして頂けたのも、関係者の努力の賜物で、一人で行っては決して体験出来ない内容でした。

SPK32609 13.6.23 知本


もっと早く行っておけば良かった・・・と思うとともに、思い切って行って良かったと思えた今回の台湾鉄の旅の報告、これにて終了です。

Friday, June 28, 2013

台湾鉄道三昧の旅〜旧型客車の旅

台湾鉄道三昧の旅、 第三回目は今回のメインディシュ、南廻線の旧型客車乗車体験です。
こちらを見て頂くとこの日全体の様子が分かります(⇒いすみ鉄道社長ブログ 台湾鉄道三昧の旅・2日目)。
旧型客車乗車の前に高雄港にある打狗鐵道故事館という保存施設を見学しました。

13.6.23 西子湾

利用する交通機関は台北同様新都市交通システム(KRTC)で、駅構内は大変広く施設も充実していましたが、いかにせん利用客はまだ少なく、当面は赤字であろうとのことです。
車両はドイツのシーメンス製で、至る所が日本の車両と設計ポリシーが異なり、見ていて興味が尽きませんでした。
特に吊り革やスタンションポールあたりが目に見えて異なるところですね。

13.6.23 打狗鐵道故事館

こちらが終着駅を上がった真上にある打狗鐵道故事館です。
ここは昔の高雄港駅にあたり、ここから沢山の物資が日本へと渡りました。
今は廃線となっていますが、当時の施設を利用して記念館にしています。
小樽と良く似ています。
構内にはこちらにも懐かしい蒸気機関車が保存されていました。
こちらでも熱烈歓迎を受け、コンプレッサーを回して、汽笛を鳴らさせてくれるサービスをしてくれました。汽笛は空気だけでは良い音が出ないとのことで、水を混ぜた圧縮空気を送っていました。


CT259 13.6.23 打狗鐵道故事館

こちらはCT259。
1929年三菱重工製で、日本のC55の3次形と同形です。
こちらは使い勝手が良く、信頼性が高かったそうで、1982年まで現役だったそうです。
大きなスポーク動輪が美しいです。

DT609 13.6.23 打狗鐵道故事館

こちらはDT609。
1929年汽車会社製で日本の9600です。
9600は1922年から1938年まで導入され、最後は1982年まで活躍していました。
見た目は国内の9600と前照灯とカウキャッチャーぐらいしか差がなさそうです。
見学後再びKTRCで高雄駅に移動。

DHL114 13.6.23 高雄

駅構内に入ったら、荷物列車がちょうど入線中でした。

行李車(荷物車) 13.6.23 高雄


台湾では未だに荷物列車が運転されています。
客車は日本のマニ36あたりの近代化版です。
客車列車の接続する枋寮駅までは気動車で移動です。

DR3002 13.6.23 高雄

この日本顏の気動車は日立製作所製で、堂々12両編成で入線して来ました。
気動車は基本3両がユニットのようで、それの倍数で編成されています。
今回見た最大編成は12両ですが、お話では最高15両編成まで走るそうです。

自強号車内 13.6.23

車内の様子です。
中央の仕切りが如何にも中華風ですが、これは仕切りでは無く排気管の立ち上がりをデザイン処理したものでした。
着席するとエンジン音も走りっぷりも日本の気動車特急ソックリで、キハ82に乗っているかのような印象でした。

途中で、翌々日に高架に切り替わるという区間が結構な長さでありました。
切り替え後の高架線が目線よりちょっと高いぐらいの大変中途半端な高さで、周りは畑や田んぼばかりの区間で高架化する意味が分からないような区間でした。
これを見て皆、どこかの国の悪名高い意味無し『公共工事?』と話していましたら、実はうなぎの養殖で水を汲み上げた結果海抜が0メートル以下になって冠水被害が出るまでに至っての高架化だとの説明があり、国が違うと色々と違う悩みがあるものだと思った次第です。

R128(左)、DR3039(右)
13.6.23 枋寮

この気動車に乗ること約1時間、客車列車の待つ枋寮駅に到着です。
枋寮駅を出て行く気動車。
反対側は電気式ディーゼル機関車牽引の客車列車です。

13.6.23 枋寮
 13.6.23 枋寮

こちらがお目当ての旧形客車列車です。

R131 13.6.23 枋寮

旧形客車列車の先頭に立つのはアメリカンな機関車。
パワフルなんでしょうが、すごくうるさい機関車でした。

R131 13.6.23 枋寮


先頭に立つ電気式ディーゼル機関車の運転席には今回の旅で何かと便宜を図って下さっている台鉄OBの郭さんの教え子が座っており楽しそうに会話をしていました。
こう言う風景、何と無く良いですね。

 13.6.23 枋寮

こちらは枋寮駅の駅前風景です。
熱帯地方の海べりの風情が漂っています。
道のすぐ先はもう海です。

SPK32757 13.6.23 枋寮

今回乗車する客車列車はスハ44をナハフ11風に近代化したスタイルの好ましい客車で、我々の為に一両貸切車を増結してもらっていました。

スハフ43 19 81.3.7 高松

因みにこちらが国鉄のスハフ43。
一回り年代がかっているものの、良く似ています。

SPK32757 13.6.23 枋寮

車内はクロスシートで、転換可能な構造で、その点はスハ44より使い勝手が良さそうです。
四国で乗ったスハ44が固定シートで後ろ向きに乗車したのを思い出しました。

TPK32215 13.6.23 枋寮

こちらはデッキなし両開き扉装備の近郊型の客車で、編成に一両だけ組み込まれていました。
こちらはインド製です。

TPK32215 13.6.23 枋寮

同じくこちらがインド製客車の車内です。

満腹駅弁

さて、いよいよ客車列車の旅が始まりました。
車内では駅弁が配られて、正に汽車旅気分です。
弁当はサービスのオムレツも付いてボリューム満点、美味しかったです。
因みに台東駅で見た駅弁は大変リーズナブルで、似たような内容の弁当は日本円換算150円強でした。

SPK32757 13.6.23 枋寮

途中で山越え区間があり、雄大な山岳風景の中を快走します。
トンネルも多く、開け放った窓からはトンネル特有の匂いと冷気が車内を吹き抜けてまさに少年時代に親に連れられて味わったは夜汽車気分です。

 13.6.23 金侖

こちらは途中駅での光景です。
椰子の木が生えた南国らしい駅風景です。
台風銀座の台湾では駅舎もホーム上家もコンクリート製の強靱なものになっています。

 13.6.23 大武ー瀧渓

山越えが終わると再び海岸線をひた走ります。
最後尾のデッキから線路が流れて行く風景・・・今となっては日本ではもう経験出来なくなりました。

SPK2348 13.6.23 大麻里

途中駅には余剰となった客車が何カ所かに留置されていました。
こちらは乗車中のスハ44タイプに冷房を載せて復興号(準急列車)色に塗って走らせたものの、アコモデーションが悪すぎて、こんなのに金払うのか!!と不評で御用済みになってしまったと説明がありました。
なるほどね。

R131(左)、R135 13.6.23 知本
台東に近づいた知本駅で台湾一周観光列車と交換しました。
日本一周観光列車もあって欲しいですね。
退避する客車列車の車内は止まってしまったら・・・うだるような暑さ。
外気温34℃の灼熱の中、汗だくになって悦ぶ車内の人々は超例外のお客様です。

13.6.23 台東

約二時間強のタイムスリップの旅を終えて、台東に到着です。
到着したここは正に南国の駅でした。