昭和53年は全国的全国各地で同時多発的に旧形電車が引退したショックな年でした。
そのなかでも3月のダイヤ改正にあわせて同月に引退したのはこの青梅・五日市線以外にも
信越本線の80系電車
両毛線の戦前形と70系電車
少し遅れて吾妻線
東海道本線名古屋口の80系電車
等が引退しています。
クモハ40073 78.3.29 武蔵増戸 |
こちらは、そのさよなら列車のシーンです。
クモハ40形はピカピカな美しい姿で営業運転最終日を迎えていました。
クモハ40073 77.12.26 武蔵増戸 |
引退直前の冬に撮影したクモハ40073です。
クモハ40形は引退後も使用することを前提にしていたのでしょう。
クモハ40072 武蔵増戸 |
こちらはクモハ40072の車内です。
78.3.29 武蔵増戸 |
記憶は鮮明なのですが、もう39年も前のことでした。
8 comments:
ヨンサントウは画期的なダイヤ改正でしたが、ゴーサントウはまさに同時多発テロ(?)でしたね。。旧型だから排除する・・典型的なお役所の戦略に一網打尽にされてしまいました。
私は高校の文化祭用にクハ76にかぶりついて小山から新前橋までの線路配置をメモしたのが最後の乗車となってしまいました。なので上京したころには南武線はおろか茶色い電車にはお目にかかったことがありませんでした。
通りすがりの64さん
昭和53年は旧形国電受難の年でしたね。
高校生の分際ではあちこち転戦も限界があり、悔しい思いをしました。
それでも東京にいたのは恵まれていたのですね。
モハ40は中央線の付属編成に使われていたので、私には一番馴染み深い形式です。戦前形で一番あとまで残ったのは、両運転台で潰しが効いたからなんでしょう。
青梅・五日市線は73系にクモハ40、4ドア+3ドアって言うのも珍しかったですね。
美しいクモハ40はやっぱり良いものです。私が見に行った1976年11月には、順法闘争
の影響で、平妻のクモハ40033も『動力車』の落書きされていたのが残念でした。
南武線もほぼ同時期に新性能化されましたね。こちらも名目は京浜東北線のATC化で
大量の103系が投入、京浜東北の101系が直接南武線に行ったり、中央線との振替で
一気に旧型が無くなってしまいました。当時は本当に103系が憎らしくって。
モハメイドペーパーさん
モハ40は中央線と縁の深い形式ですね。
競馬場線での活躍も懐かしいです。
モハ1005-モハ1006-クハ2003 さん
一番混雑する立川よりに3扉車というのも皮肉ですね。
順法闘争の時の落書きはひどかったですね。
私も次々に旧型車を駆逐する103系と113系が憎らしくてたまりませんでした。
通りすがりの64さんの話の北関東ローカルの戦前型と70系も、ちょうど同時期の置き換えで、置き換えた115系が現在正に置き換えられているところなところが「39年」という年月を感じます。
昭和53年は53-10改正での特急の絵入りマークの登場がエポックでしたが、JRRの「国鉄電車編成表」の最初の号が出版された年でもあり、データがちょうど同時期(1978年3月31日時点のデータを中心に収録)で、「車両状況を調査する」という点でもエポックになっています。
話がちょっと横にずれるのですが、この時期の青梅・五日市線は太田蘭三(1929年4月19日~2012年10月22日)の小説「脱獄小説」に登場しています。太田蘭三先生は1980年代から90年代に山岳、渓流を舞台にした小説で有名になりましたが、「脱獄山脈」は昭和53年12月に出版された、山岳小説の「先駆け」となったものでもあります。この中で府中刑務所を脱獄した脱獄囚が奥多摩から秩父山地へ向かうくだりがあり、そこで「南武線の矢川駅発5:10~立川駅着5:23」の列車に乗り(祥伝社文庫P124)、さらに「立川駅発5:30の奥多摩行きの2番列車の前から3両目」に乗車しています(同P125)。この列車が6:43奥多摩着で、そこから秩父山地に入り、小海線の清里へ抜けて、さらに松本から北アルプスを糸魚川へ向けて縦走しています。「脱獄山脈」の出版は昭和53年12月ですが、執筆時期から、昭和53年夏の夏山シーズンの情報が基になっていると思われ、上に取り上げた南武線、青梅線の列車はちょうど新性能化を挟んだところで、太田蘭三先生がどちらの車両を想定して執筆していたのか微妙なところでもあります。
その後の太田先生の小説でも日本アルプスを舞台にしたものが多く、山へ向けての移動手段として急行「アルプス」がしばしば登場します。交通状況の変化、太田先生自身が年齢を重ねていったこともあり、移動手段が執筆時期に応じて次第に変化しており、1980年代は鉄道を使用して山へ向かっているのに対して、1990年代に入ると「警察小説」でもあるので公用車を使って「出張」の形で遠出をするように変わっており、また、太田先生自身が自動車免許を取ったこともあって、自分の車を使って移動するように話が変わっていきます。
原口さん
鉄道を舞台にした小説は、そこで登場する列車をイメージしながら読む楽しみがありますね。
自分も読みながら走っている車輛や風景を思い浮かべてしまいます。
小説の舞台もモータリゼーションでしょうか?
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