４０年振りの再会・・・『最近１０年の国鉄車両』

小学校時代、図書館で電車の本を見るのが楽しみの一つでした。
限られたおこずかいでは購入できない国鉄・私鉄のガイドブックは図書館で眺める読み物でした。
そんな中でも目を引く存在だったのが国鉄工作局篇『最近１０年の国鉄車両』でした。
この本は国鉄９０周年を記念して出版されたもので、１９５３年からの１０年間の製造または改造をされた国鉄の各種車輌を網羅して紹介した本で、大変に資料価値の高い本と思います。
残念ながら非売品なので、なかなか手に入れる機会は当時もなかったと思われます。
私の手元には当時図書館でコピーしてもらったこの本をガイドブックのように整理した冊子が今でも本棚にあり、たまに活躍をするという、正に『バイブル本』の一つでした。

４０年振りに手にしたバイブル本

それが、先日神田の古本屋さんのセール棚に並んでいました。
一箇所切り抜きがあったためにセール本に成り下がっていたようです。
この本はその後地元図書館でも整理されたのか見かけなくなってしまい、二度と会えないのかと思っていました。
原本とは実に約４０年振りの再会です。
これは手に入れるしかありません。

見開きのカラーグラフ

見開きにはカラフルな国鉄車両の写真が並んでいました。
国鉄の黄金時代を駆け抜けた車輌たち。
どの車両をとっても懐かしい面々ばかりです。

７２，７３系電車

大好きな直流電車の部では７３形、７２形の各種公式写真が並んでいます。
少年時代の自分が目を皿のようにして見たページです。
特に左上の試作改造車、クモハ７３９０２号の写真が印象的でした。

クハ７６全金車

次に登場するのはスカ形７０系です。
ゆったりとした運転台に目がゆきました。

８０系初期車・更新車

その次は湘南電車８０系です。
更新修繕を受けた８０系初期車の写真も目が釘付けでした。
その後には１０１系、１５１系、１５３系・・・とこれまた懐かしい車両たちが並び・・・

クモル２３とクモル２４

こんな配給車の写真もこの時期の改造車なのでしっかり掲載されています。

クモヤ７９０－１１

そして電車の部の最後にはこんな交流試作電車の姿もあります。
交流電化黎明期の試作電車には余剰になった旧型国電を改造して何種類かの吊り掛け交流車が製造されました。

クモハ４９１

そして、７３形改造の試作交流電車、クモハ４９１・クハ４９０形も載っていました。
伊那電改造のクハとコンビを組んで熊ヶ根鉄橋をゆくシーンにも目が奪われました。
旧型電車なのに新型交流車と同じカラーリングに、新型電車並みの車両番号符番、そして何より交流で走る吊り掛け電車という存在自体に大変興味を持ちました。

クハ４９０－１１（左）とクモハ４９１－１１（右）
１９７７．８完成

そして、この写真を見て中学生時代に作ったのがこちらです。
久しぶりに箱から出してみました。
一生懸命ペーパーで三段窓を抜いています。

結構頑張った屋根上

今見るとやはりナニですが、中坊時代の自分なりには頑張って作った記憶があります。
屋根はキャンバス張りを再現するのにトイレットペーパーを貼っています（これはロコモデルの真似ですね）。
屋根上機器も怪しいですが、写真が少なく苦労したのを覚えています。

たまたま通りがかった古本屋での邂逅から小・中学時代の自分を思い出した一日でした。