2700系に続いて(それ以上に)マニアックモードです。
このサハ2500形は来歴を含めて極めてバラエティに富んだ陣容になっていました。
サハ2500形は京王線の昇圧に際し、軌道時代から活躍の14M級の電動車を電装解除して2000系列の中間車に充当するという措置が取られたものが初代で、これからご紹介する2500形は二代目にあたります。
ところが、これも予算面の制約から誕生した経緯は初代2500形と一緒で、華々しく登場した5000系の増結車(5070系、後の5100系5112まで。こちら見てください⇒京王帝都5100系吊り掛け車)は、2700系の一部を電装解除してその機器を流用しての新造をすることとなり、2700系列の多くは電装解除・中間サハ化などの大改造を受けることとなりました。
そしてサハ化された新2500系列が玉突きで従来の14M級中間車の淘汰が行われるという、5000・2000・2700の3系列縦断の大々的な工事となりました。
この工事によって2700系は電動車24両の半数が電装解除、制御車・付随車19両についても同様に改造対象となり、2700系列の多くは2500系に編入、実質2000・2010系のT車として活躍することとなりました。
そんな2500系、大きく分けると、
① 2700系のサハとして新製されたグループ
② 2700系のデハの電装解除、中間車化改造したグループ
③ 2700系のクハを中間車改造したグループ
④ 2010系の新製サハとして新造されたグループ
⑤ 2700系5次車として新製された異端車
に分かられます。
それ以外に細かい部分での相違は数多く、車体外板の更新、二段サッシ化改造の有無や窓の上下双方が上がるタイプと下しか上がらないタイプなどがあったり、台車も2700系時代の台車だったり新製した台車を履いていたりなどのバラエティもあり、大変興味深い車種になっていました。
サハ2512 79.2.28 代田橋 |
クハ2771の改造、3次車です。
上段が製造時のHゴム支持のまま残ったサハ2500はこの一両のみのはずです。
サハ2511 79.7.10 代田橋 |
但し、この車はデハ2724⇒クハ2787と制御車時代にも電装解除を受けています。
グループ②のデハ2700改造車と③のクハ2770改造車の差は少なく、ベンチレーターの個数の違いぐらいしか外観上は差がありません。
このタイプは2700系4次車なので、Hゴムになった上窓も上昇するため、窓まわりには新造時の姿を留めています。
サハ2562 80.5.28 明大前 |
2500と2550の差はCPの有無の違いです。
上の車両とは間違い探しレベルの差がなさそうですが、ベンチレーターの数が違うんです。
サハ2564 80.5.27 明大前 |
デハ改造車にはパンタグラフ撤去部分に通風器がありません。
写真では手前側が元パンタのあった側です。
サハ2515 79.7.10 代田橋 |
客引き戸が交換されています。
サハ2567 80.6.2 代田橋 |
2700系1次車にあたり、当初からリブのない車体です。
下段窓がアルミサッシに交換せれていますが上段は固定です。
サハ2516 79.7.10 代田橋 |
外板張り替えでリブ類は側面からは消え去り、上のサハ2567とそっくりになっていますが、最初はリブ付Hゴム支持窓のスタイルだった名残が妻面の小窓に残っています。
サハ2570 80.4.14 代田橋 |
2700系であった時代は二年ほどであったそうです(元・いきもの部長さんのコメントを引用しました)。
また、『KTR』のロゴの大きさ、取り付け位置がこれまで出てきた2500系車両とは違っています。
こちらも調べて見ると2010系の2次車から変更になっているようで、その理屈からするとこの車両はこんなロゴの位置だけをとっても合いの子なのでしょう。
サハ2571 79.7.10 代田橋 |
デハ2010の3次車と同じ構造になっています。
2010系3次車を含めたこのグループでグリーン車の新製は打ち切りとなり、5000系に移行してゆきました。
京王帝都電鉄が今の姿に変貌する前夜に生まれたグリーン車は高度成長の時代の波に翻弄されて、様々な手が加えられて徐々に脇役に退く形となり、私が学生時代に見たのが最後のご奉公時代の姿ということになります。
現在の画一化されて、自社の系列では3種類の電車しか来なくなった京王線を見るとまさに隔世の感があります。
この後は古い2700系改造サハから順次櫛の歯が抜けるように廃車、1984年に全て引退しました。
8 件のコメント:
chitetsu殿おはようございます。
コレは無理です、何回読んでも南海電車、さっぱり理解できませーん。
5.だけが「異端車」とされてますがこれじゃあ全部異端車ですね(爆)。
しかも、ちょっと見ただけではリブとベンチレータくらいしか違いに気付かないところがイヤです(核)。
グリイーヌ車殿
解読放棄ですか!
普通はそんなもんですよね。
書いてる自分も途中で混乱してきました。
因みに私には阪急の2000と2300と3000の違いがわかりましぇ~ん。
chitetsuさん、こんにちは。
サハ2500系列は魔界の一丁目ですね。
自分は14m級車体の更新名義新造車郡に何か、
ワクワク感を覚えます。
その次に14級車体からの編入車郡です。
2010系の間に押し込まれた古風な車両、
もうちょっと何とかならんかな?と思うと同時に、
見てるだけで楽しくなります。
マシュさん
こんにちは。
2500は新・旧共々いろんなものが混在して興味の尽きない車両ですね。
特に14M車は今考えると信じがたい組み合わせでした。
カルダン車の中間車がリベットごつごつのダブルルーフ車というのは余りに落差が激しすぎます。
いつも濃いーのをたくさん見せていただいてごちそうさまです。この頃の京王電車はあまりなじみがないのですが、いわゆる関東標準と言われる窓配置でもバス窓だったりウインドシル?だかリブだかがあるだけで随分と野暮ったい印象に化けますね。一時期、この京王や京成の初期赤電をモデリングしてみたくて小田急や富士急の鉄コレを仕込んでいたりしたのですが、こうして改めて見るとハードルが高そうだと思い直しました。
饅頭庵さん
リブ付きHゴム窓の車体はやはり模型化には手強い相手です。
逆にプラの製品化には最適かもしれません。
どこか手を出して欲しいですね。
chitetsuさん、こんばんは。
コメントを使っていただき、ありがとうございます。
そういえば、『KTR』のロゴの大きさや取り付け位置も違っていましたね。気づきませんでした。
また、サハ2516の妻面にわずかに残ったリブを見落とさないところも、さすがです。
元・いきもの部長さん
こちらこそ、コメントパクらせていただき、ありがとうございます。
KTRのロゴの件、私も今回スキャン画像をみていて気がつきました。
見ているようで、見ていないことってあるんですね。
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