2015年1月28日水曜日

蒲原鉄道 七谷の冬

蒲原鉄道の七谷駅は山越えの閑散区間で晩年は唯一の交換駅として機能していました。
1984年の3月、まだ雪の残るその七谷駅を訪れました。


モハ41 84.3.22 狭口ー七谷


もうじき4月というこの時期でも七谷付近は真冬のような景色でした。
雪に足を取られながら歩いて線路脇で電車を待ちます。
雪の季節特有の静まり返った音のない風景の彼方からモハ41が残雪の壁の中をトコトコとやって来ました。

モハ41 84.3.22 七谷


七谷駅に進入するモハ41。
駅の構内には融雪用と思われるパイプが張り巡らされていました。

モハ41 84.3.22 七谷

交換待ちのひと時。
反対側から電車が接近してきます。


84.3.22 七谷

七谷の駅舎は雪に埋もれていました。

84.3.22 七谷駅事務室

交換する電車を撮ったあとはひたすら次の電車を駅の待合室で待つしかありません。
その時、駅長さんが待合室で待つ私に声を掛けてくれました。
待合室は寒いからこっちの事務所で待ちなさい、との優しいお言葉。
お言葉に甘えて駅事務室に入らせて頂きました。
駅長さんはお茶も出して頂き、色々な昔話を教えてくださいました。
滅多にない経験をさせて頂いたついでに駅事務室も撮らせて頂きました。
上手く撮れませんでしたが、その時の写真がこちらです。


モハ12 84.3.22 七谷

楽しくもありがたい一時間が過ぎて加茂行きの電車が到着する時間になりました。
一番お気に入りのモハ12が残雪が多く残る七谷駅に進入します。
駅長さんにお礼を言ってモハ12の客となりました。

寒い越後の電車撮影でしたが、最後はたいへん温まる経験をさせて頂いた記憶に残る旅となりました。


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87.9.26 七谷

上の訪問から3年後に再び七谷を訪れました。
早朝の七谷駅跡は既に草原と化しており、温かいお茶を入れてくれた駅舎が寂しいそうに残っていました。

6 件のコメント:

  1. こんにちは
    「寒いからお入り」はワタシも何度か経験あります。
    割と大きめの駅でも入れてくれたりして意外でしたが、
    ホントうれしかったですよね。
    ヤカン置いたストーブ、やたら大きく聞こえる時計の音・・・すごく懐かしいです。
    でも廃止になった駅での経験はありません。
    最後の一枚・・・ああ、ダメですぅ・・

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  2. 青春Mさん
    ストーブの上のやかんから出るスチームの音と時計の音しかしない駅事務室、遠い記憶が蘇って来ました。
    ありがとうございましたー。

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  3. 素晴らしくも切ないご経験でしたね。
    ちてつ世界のバックボーンになっているのだなと感じました。
    最後のカットは悲しいのですが、クルマがけっこうマニアックであります。

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  4. 低Nさん
    貴重な体験をした分、廃線後の姿を見たときは切なかったですね。
    見に行くべきじゃ無かったのかも知れません。
    クルマは当時の親父のフォルクスワーゲンジェッタで、記念に一緒に写して見ました。

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  5. ワタクシが初めて蒲原鉄道に乗ったのは、部分廃止以後でした。

    山あいを走る蒲原鉄道に乗れたなんて羨ましいです。

    駅長さんに「寒いからお入り」なんて言うのも地方の田舎ならではの人の暖かさを感じさせてとても良いですね。

    そんな駅が3年後ここまで変わり果てたなんて寂しさ通り越して悲しいですね。

    地方の過疎化というものを痛感させられますね。

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  6. 昔の地方の駅ではこんな経験をした方は結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?
    この七谷の駅は廃止になってしまいましたが、現存する駅でも無人化でこんな経験できそうな駅はもう余り無いのでしょうね。

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