2014年4月6日日曜日

西鉄宮地岳線のモ1とモ10

最近は路線短縮をしてしまって、路線名も貝塚線に変わってしまった西鉄宮地岳線ですが、1981年私が初めて訪問した当時は丁度変革期ながらも下手な地方私鉄よりも渋い電車が最後の活躍をしていました。

モ9 81.3.2 西鉄香椎

西鉄香椎駅で客扱い中のモ9。
多くの乗客が単行の2扉の小さな電車に群がっています。

モ1形は宮地岳線の前身の博多湾鉄道汽船が、1929年(昭和4年)の電化完成に際して日車で新製された半鋼製車で、両者の車体外て日本車輌製造で製造された半鋼製電車です。
スタイルは同時期の製造の小田急電鉄の1形(デハ1100)と良く似ています。

モ8 81.2.28 貝塚ー名島
貝塚近くのアーチ橋を渡るモ8。
それでは訪問当時見れた車両を番号順にご紹介します。


モ5 81.3.2 貝塚


モ5。
すでに別形態・車体更新車のモ1をはじめ1から4号までは廃車後でしたので最若番はモ5号でした。
姉妹車的存在の小田急1形との大きな違いは正面が貫通形と非貫通形の違いでしたが、モ1形も後に貫通扉は固定され、車両により貫通扉が存置されたもから中途半端な塞ぎ方をしたもの、そしてこのモ5形のように貫通扉をきっちり塞いだものなどスタイルは様々でした。
また、各社共通で側面の中間の扉も撤去され、2扉化されました。
最初の写真を見て頂ければわかるように、却って混雑を助長するこのような改造をされたのはちょっと疑問です。

モ6 81.3.2 貝塚


モ6。
モ5が貫通扉上部のヘッダー部分がそのままの形状で塞がれただけなのに対し、こちらはきっちり一直線に改造されて貫通扉存在の面影がありません。
その点ではモ1形の中で一番綺麗に非貫通化改造された車両です。

モ8 81.3.2 貝塚

モ8。
こちらは逆に貫通扉は締め切られただけで原形を留めていました。

モ8 81.2.28 貝塚

モ8・パンタ側です。
なぜかパンタ側は非貫通に改造されていました。
この辺りの統一性のないところが楽しいですね。


モ9 81.3.2 貝塚
モ9 81.2.28 貝塚


モ9。
モ8と同じ姿ですがこちらは両側とも貫通扉が残っていました。

モ13 81.3.2 貝塚


こちらは別形式のモ10形・モ13。
鋼体化改造車でモ1形を近代化したような姿をしています。
モ10、ク50合わせてそれなりの両数が居ましたが、私が見れたのはこの1両だけに終わりました。
同車は側面固定窓がHゴムですが、サッシュのタイプの車両もありました。

モ1、モ10形は本線からの転入車で1978年から1981年にかけて順次廃車となりました。
最後まで残った車輌の廃車は1981年の12月。
まさにぎりぎりセーフで最期の活躍を見ることができました。

6 件のコメント:

  1. 大都市にある大私鉄なのに、宮地岳線のローカルムードはだだならぬものでした。でも単線なのに貝塚発は7分間隔ってのもすげーと思いました。
    モ10のバス窓車体も田舎っぽくて堪らないです。一時は前後の台車が違ってたんです。
    とかとか、宮地岳線って変な電車でしたぬ。

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  2. Cedarさん
    宮地岳線は出生が異なるためなのでしょうが、大手私鉄とは思えないローカルムードが漂っていましたね。
    福岡近郊で昭和一桁生まれの電車が80年代になっても活躍していたのは奇跡的だったのでしょうね。
    モ10の台車が前後で違っていたことがあったとは知りませんでした。

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  3. Chitetsuさん。
    2コモーター車時代は、動力台車がDT10、付随台車がボールドウィン形という、軽便電車みたいな仕様でした。
    こんなのがあるのも変な電車でした。

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  4. Cedarさん
    ご教示ありがとうございます。
    まるで客車改造の気動車みたいですね。
    模型で作ったら前後で高さが変わっちゃいそうです〜。

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  5. こんにちは。
    いつも拝見しております。
    55年ほど前に西鉄宮地岳線を通学利用していました。
    幼少期から香椎に住んでいました。
    18+63(木造車時代)の編成が好きで、鉄道ファンになった原点でした。
    当時は全ての車両が手動ドアでした。
    乗務員がドアのロックを掛けやすくするために、3ドア車の中ドア廃止や前後ドアの端部移設が行われました。
    参考まで。

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  6. てっちゃん老人さん
    ブログを見て頂き、ありがとうございます。
    通学で利用されていたとは、個人的にはうらやましい限りです。
    手動扉に車掌さんがロックをかけながら走るシーン、知っている人も今は少なさそうですね。

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