2020年9月4日金曜日

南武線のクハ79 (2)

南武線のクハ79形、二回目は72系としての新製車の300番代以降の電車のご紹介です。

77.11.23 稲城長沼

最初は初期の300~のタイプからです。


クハ79310 77.3.26 中原電車区

72系電車として最初の新造車となった1952年製のグループは台車がTR48に変更、屋根の高さも低くなって若干スマートになったぐらいで、基本スタイルは未だ63形電車時代のままでした。
クハ79310は同じ仲間の多くがHゴム改造を受けた中で、正面部分が最後まで原型を保った唯一の車両です。

クハ79332 77.3.26 中原電車区


1953年度製の第2弾は早くも各部に設計変更がかかりました。
正面窓や戸袋窓などあらゆるところがHゴム化された姿にモデルチェンジされています。
しかしながら、こちらの79332号車は正面左側の上段窓が何故か木製に交換された異端車です。

クハ79344 77.12.28 川崎

こちらが新製時の姿を残したスタイルの車両ですが、運転席窓のHゴムが微妙に小さいですね。
過去に何かあったのかもしれません。

クハ79377 78.1.29 中原電車区

次の年の1954年は更にフェイスリフトがかかりました。
試作車2両を挟んでこのバージョンからは正面窓が傾斜し、ウインドウシル・ヘッダーが無くなりました。
このバージョンまでは偶数車ばかりの増備であったのが、本バージョンからは奇数・偶数それぞれが新製されたため、奇数車の車番が301~となったので、これまでのスタイルの偶数番号車と番号的には交互になることとなり、ややこしいことになってきました。



クハ79411 77.8.2 川崎

そのまた次の1956年度からは更に新バージョンが誕生しました。
こちらからは前照灯が埋め込まれました。
だんだん現代の国電の姿に近づいてきているのがわかります。

クハ79427 78.1.29 中原電車区

埋め込み前照灯のこのタイプのクハ79は南武線の主力車種でした。


クハ79465 77.8.2 中原電車区

こちらは何故か台車が異なるクハ79465。
正に異端車ですね。
このような台車振替車はこの車両以外にも複数見られました。


クハ79437 78.7.21 川崎

こちらは鋼板屋根になって曲率が変わった後期車です。
雨樋も鋼製になっています。

クハ79936 77.12.27 稲城長沼

全金属の920番代は72系電車の掉尾を飾る電車になりました。
この電車が新製された時には既に次世代の90系(101系)電車も新造されていました。

クハ79938 78.1.29 矢向

何故か方向幕があるのにサボ付きのクハ79938。
確か千葉から転属になってきたのでは無かったかと記憶しています。
何とも違和感のあったこの姿、その後の鶴見線でたくさん登場してびっくりしました。


4 件のコメント:

  1. モハメイドペーパー2020年9月4日 14:44

     地元の中央線では1952年製以外のタイプが見られました。Hゴムの2段窓はなぜか付属編成に入っていました。南武線でもそうだけど、ベコベコ車体のサハ78が編成美をブチ壊していますね。

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  2. モハメイドペーパーさん
    サハ78形は同じ63改造車でも他形式に比べてベコベコ率が高く感じました。
    アコモ改造車でさえその傾向があったのは、なぜなのか未だに不思議です。

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  3. 1956年製から前照灯を運転台埋め込み式に変更したので、屋根に登る手間が無くなり点検が楽になったそうですが、これはコロンブスの卵?ですね(笑)。1957年製全金車はなかなかスマートな車体ですが、後続の101系量産車は大量生産向きの平凡なスタイルに戻ってしまったのは残念です。

    廃車まで残り数年の駆け込み改造でしたが、三段窓を二段窓に改造するだけでも、ずいぶん軽快で近代的に見えますね。

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  4. midorinoneko さん
    73系のアコモ改造は随分手をかけていた感じですね。
    その割には改造後の命は短かったです。
    今考えると当時の電車よりも103系などの方がよっぽど長生きしたことになりますね。

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