蒲原鉄道の七谷駅は山越えの閑散区間で晩年は唯一の交換駅として機能していました。
1984年の3月、まだ雪の残るその七谷駅を訪れました。
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モハ41 84.3.22 狭口ー七谷 |
もうじき4月というこの時期でも七谷付近は真冬のような景色でした。
雪に足を取られながら歩いて線路脇で電車を待ちます。
雪の季節特有の静まり返った音のない風景の彼方からモハ41が残雪の壁の中をトコトコとやって来ました。
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モハ41 84.3.22 七谷 |
七谷駅に進入するモハ41。
駅の構内には融雪用と思われるパイプが張り巡らされていました。
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モハ41 84.3.22 七谷 |
交換待ちのひと時。
反対側から電車が接近してきます。
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84.3.22 七谷 |
七谷の駅舎は雪に埋もれていました。
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84.3.22 七谷駅事務室 |
交換する電車を撮ったあとはひたすら次の電車を駅の待合室で待つしかありません。
その時、駅長さんが待合室で待つ私に声を掛けてくれました。
待合室は寒いからこっちの事務所で待ちなさい、との優しいお言葉。
お言葉に甘えて駅事務室に入らせて頂きました。
駅長さんはお茶も出して頂き、色々な昔話を教えてくださいました。
滅多にない経験をさせて頂いたついでに駅事務室も撮らせて頂きました。
上手く撮れませんでしたが、その時の写真がこちらです。
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モハ12 84.3.22 七谷 |
楽しくもありがたい一時間が過ぎて加茂行きの電車が到着する時間になりました。
一番お気に入りのモハ12が残雪が多く残る七谷駅に進入します。
駅長さんにお礼を言ってモハ12の客となりました。
寒い越後の電車撮影でしたが、最後はたいへん温まる経験をさせて頂いた記憶に残る旅となりました。
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87.9.26 七谷 |
上の訪問から3年後に再び七谷を訪れました。
早朝の七谷駅跡は既に草原と化しており、温かいお茶を入れてくれた駅舎が寂しいそうに残っていました。