2013年10月4日金曜日

クモハ40054、数奇な運命

私の出会った旧型国電の中で一番波乱万丈な人生を送っているように見えた電車がクモハ40054号車です。

クモハ40054 78.7.22 大船工場

最初に出会ったのは偶然発見した大船工場の留置線でした。
既に日光線での活躍からは引退し、大船工場の側線で色褪せた姿で留置されていました。
その姿や前後の車両から推測するに完全に解体待ちの状況にしか見えませんでした。
スカ塗りのクモハ40は少数派で、私が実見したのは他に高崎ローカル用に運用されていたクモハ40044号車(こちら⇒信越線のローカル電車)だけでしたので、是非撮っておきたい電車でした。
でもここは工場。
基本的に立ち入り許可を得るのは厳しい場所です。
でも・・・工場の方にお願いして、『これだけ撮らせて、一分でいいから・・・』と懇願してお目こぼしを頂いて撮らせていただいたものです。
お礼を言って辞した時、この電車を見られるのはこれが最初で最後だろうな、と思っていたのですが・・・・。

クモハ40054 88.3.27 目黒ー恵比寿
何と、復活したのでした。
それも懐かしいぶどう色のピカピカな姿で。
そして、それを見た場所も貨物線ながら山手線の営業運転でした。
これにはびっくりしました。
どのような経緯で復活したのでしょうか?

クモハ40054 96.8.24 大井工場

その8年後は大井工場の公開日の車両展示をされていた時に再会。

クモハ40054 96.8.24 大井工場
サボは『奥多摩』でした。


クモハ40054 06.6.25 大宮

更にその10年後。
今度は高崎線の車窓から見たクモハ40054。
再び大船工場で見たような姿になりそうな状況に戻りつつある雰囲気でした。


クモハ40054 09.9.30 青梅鉄道公園
そして・・・。
安住の地は青梅鉄道公園になりました。

クモハ40054 09.9.30 青梅鉄道公園
蒸気機関車はあちこちで保存されていますが、電車については冷たい扱いをされていますね。
いつも電車好きはこのことが寂しいです。
ここでもやはり蒸気機関車中心の展示で、電車は外様な感じですが、これなら大丈夫かなという気もします。

クモハ40054 09.9.30 青梅鉄道公園
永く後世に旧型電車の姿を伝えてもらいたいと願って青梅の地を後にしました。


8 件のコメント:

  1. 復帰したのは民営化直後、浮ついていた頃ですか。
    それより気になるのは、背景のサロです。塗り分けからするとサロ165の単なる入場で解体待ちのサロ112ではなさそうですが。

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  2. なにわさん
    この当時、まだ現役で活躍するしっかりしたクモハ40が居た中での復活はちょっと不思議です。
    背景のサロの形式は私には分かりませんが、外板も錆び落ち、色褪せてかなり酷い状態のサロでした。

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  3. おはようございます。

    確かこのクモハ40は、民営化直前まで国府津電車区で職員輸送用として使用されていた車両ですね。
    しかし、廃車直前の状態から復活したとは思いませんでした。

    私の地元大阪には、クモハ32が似たような用途
    で残っていましたが、Hゴムだらけであまり良い姿とは思いませんでしたね・・・

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  4. nnishi1968さん
    そうですね。
    国府津の職員輸送用に半流のクモハ40と活躍していたような気がします。
    でも、よもやボロボロのこの車が復活するとは思いませんでした。
    大阪のクモハ32も見に行きました。
    4ドアの戦前型電車はそんなに多く見れなかったので、それなりに嬉しく思いました。

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  5. ひえ~
    そんなことがあったのですかあ嗚呼~!
    もうすぐまた青梅から這い出してきたり・・・
    しないかっ!?

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  6. イヌハ40054殿
    はじめまして~。
    人生いろいろ、電車の運命もいろいろです。
    普通なら今頃鉄屑だったでしょうね。

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  7. 実物の車暦からすると、青梅・五日市線への入線は?ですね。
    でも、鉄道公園に行く時は大概クモハ40に乗って向かった覚えがあります。

    青梅から先は長らく未知の世界でしたが、最近訪れて山岳路線の印象を強く持ちました。
    E233では静かに駅間運行するだけですが、旧型の時代は釣り掛け音を山間に響かせていたのでしょう。

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  8. 12号線さん
    仰るように実車は恐らく青梅線の運用実績は?ですね。同じ仲間の40039号車が活躍した縁からの保存ではないでしょうか?
    青梅からの山間区間はそれまでの風景とは一変。
    私鉄時代の名残が随所に残っていました。

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