2013年7月28日日曜日

肥薩線、明治から昭和に出会う旅(下)

肥薩線の明治から昭和に出会う旅、最終回は人吉から吉松まで通称山線・矢岳越えの区間です。
その前に早起きは三文の徳とばかりに、くま川鉄道を湯前まで始発列車で乗りつぶしをして来ました。

KT104 13.7.22 湯前ー新鶴羽

沿線は見事なまでの田圃の続く農村風景が続きます。
通学生を迎えに行く下り始発列車は、3両編成に数人の乗客を乗せて田圃の続く農村風景をひた走ります。

13.7.22 湯前

約50分前後で湯前に到着。
終点湯前駅は国鉄時代の駅舎が残っています。
沿線ではこの駅のみが国鉄時代の面影を残した駅舎のようです。
恐らく大正末期の開通時のままの駅舎でしょう。
以前は山を越えて杉安までつなげる構想があったために、構内は中間駅の構造をとっていましたので、あまり終着駅らしくない配置になっています。
駅前散策後、人吉への戻り列車は朝の通学列車で車内は学生でいっぱいでした。
こういう風景を久し振りに見ました。

朝の増結車、開放
KT203 13.7.22 人吉

人吉到着後は3連のうちの2両が入庫。
この後はきっとワンマン往復なのでしょう。
一旦宿に戻って朝風呂をいただいてから、肥薩線の旅の後半の山線・矢岳越えに向かいます。
宿泊した旅館はこちら(⇒人吉温泉 芳野旅館)。
夜にちょっと訪問して感動した共同浴場はこちら(⇒人吉温泉 新温泉)。

人吉から乗車する列車はいさぶろう1号・吉松ゆきで、本日は同列車としては最長の3両編成です。
SL人吉運転時は3両編成になることが多いらしいです。

キハ140 2125 13.7.22 人吉
車内の様子です。
予習なしのほぼ予備知識ゼロで乗車しましたので(実はこの列車にはあまり興味がありませんでした)、この列車については結構びっくりすることが多かったです。
最初にびっくりしたのは、これ、殆んどの席が指定席であったということで、車掌さんの案内で席を右往左往させられました。
一応、列車で配られたパンフレットと自宅に戻ってから復習からおさらいすると、『いさぶろう・しんぺい』号のルーツは、思ったより古く1996年にキハ31の普通列車一往復から始まっているようです。
列車名も『いさぶろう・しんぺい』号と思い込んでいました(最近、ネット検索に頼って時刻表をちゃんと見ていない弊害ですね)が、ちゃんと矢岳トンネルの上下出入口の石額の書かれた向きに合わせて下りが『いさぶろう』号、上りが『しんぺい』号になっていることを乗車して初めて知りました(恥)。
キハ140を改造した専用車になったのは九州新幹線部分開業に合わせた2004年からで、単行⇒2連⇒SL人吉に合わせた増結用を加えた3連、と進化しているそうです。

キハ140 2125 13.7.22 大畑
ともかくも、指定席料金を払ってクロスシート席に落ち着いて、列車は発車しました。
途中駅、大畑・矢岳・真幸、それぞれに5分程度の停車があり、プチ見学ができます。
先ずは大畑です。
こちらも24年ぶり。
以前の見捨てられてうらぶれた雰囲気はなくなって、綺麗になっていました。

ループ上から見た大畑駅 13.7.22 大畑ー矢岳
大畑発車後はループ線をぐるぐると登ります。
一段登って大畑駅が見下ろせる場所で、何と列車は停車してゆっくりと見せてくれます。
ただ、このように見える場所はほんのちょっとなので、3両編成を3回に分けて停車して、どの車両に乗っていても見られるように配慮されていました。
これはなかなか心憎いサービスですね。
大して期待していなかった『いさぶろう・しんぺい』号でしたが、すっかり『いさぶろう・しんぺい』号がご贔屓になってしまいました。

 13.7.22 矢岳
ぐるぐる登った先の矢岳でも停車時間があり、懐かしい駅舎が撮れました。
明治42年開業時の駅舎が維持されています。

キハ140 2125 13.7.22 矢岳
蝉の声しか聞こえない矢岳駅に停車中の『いさぶろう1号』。
交換設備は撤去されて一線スルーになっていました。
 13.7.22 矢岳ー真幸
矢岳からは下りです。
途中では日本三大車窓風景ポイントを通過します。
こちらもしっかりと停車。
写真撮ったりする時間が設定されていました。
奥に霧島連山、途中にえびの高原、手前に京町温泉の街並みが慌てずに見渡せます。
こりゃ、楽しい。

車内から見た真幸駅 13.7.22 真幸
再び列車は下り坂を快走して真幸に到着です。
真幸駅はご存知スイッチバックなので、駅を見下ろして一旦通過します。
駅には列車を迎える地元の人が手を振っていました。

いさぶろう1号真幸進入 13.7.22 真幸
スイッチバック後、駅に進入するいさぶろう。

キハ47 8159 13.7.22 真幸
真幸に到着です。
ホーム上には鳴らせば幸せになるという鐘があります。

キハ140 2125(左)、キハ47 8092(右)
 13.7.22 吉松
楽しかったいさぶろう、終点吉松に到着です。
そのまま隣の『はやとの風』に乗り換えます。

13.7.22 大隅横川
『はやとの風』も途中、大隅横川と嘉例川で5分程度の停車があります。
こちらが肥薩線最古の駅(1903年築)と案内された大隅横川駅です。
戦争中には機銃掃射を浴びて、その痕跡が残っています。

キハ47 8092 13.7.22 嘉例川
その次は有名になった嘉例川駅にまた小停車です。

13.7.22 嘉例川
嘉例川駅も実に良い駅です。
こちらも同時期の駅舎です。
こちらは7年前に一回キハ58に乗って訪れていますので、そそくさと撮るだけで終了。
大きな七夕飾りと思しきものがいっぱいぶら下がっていました。

504 13.7.22 鹿児島中央駅前
そして、列車は隼人経由で本線を桜島を左手に見ながら快走して、鹿児島中央に到着。

用務先までは市電で向かいます。
運良く、懐かしカラーの古い電車が来ました。
この500形は最古参になっているようで、現役車は4両程度しかいないみたいですので、この電車に会えたのはラッキーだったのでしょう。
この1両以外は新し目の電車しか見れませんでした。

504 13.7.22 高見馬場
こちらに乗って、目的地到着。
実に楽しかった、役得肥薩線の旅、これにて終了です。

2 件のコメント:

  1. このコメントはブログの管理者によって削除されました。

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  2. Cedarさん
    すみません、コメントを書いている時にウッカリコメント削除のタグに触って頂いたコメントを消してしまいました(涙)。
    宜しければもう一回お願いしていいですか?
    鹿児島市電、以前はケバい広告車ばかりでしたが、最近原点回帰か昔の色が戻ってますね。
    失礼しました。

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