2013年6月27日木曜日

台湾に吊り掛け電車をもとめて〜その1

パッケージツアー苦手の私が今回の台湾鉄道三昧の旅に参加する決心した大きな理由は3つありました。
一つ目は青い旧型客車列車乗車体験の恐らく最後のチャンスだろうこと、二つ目は国鉄制式蒸気機関車台湾版に出会える事も勿論ですが、それ以上に三つ目が大きな理由で、今なお現役の吊り掛け電車の特急列車に会えると言うことでした。
今回のツアーの案内を見るまで、台湾に吊り掛け電車が走っている事は知りませんでしたし、増しておやその電車が特急列車自強号として本線を120kmでかっ飛ばすなんて事は知る由もありませんでした。
日本国内ではほぼ絶望状態の吊り掛け電車が、隣国で優等列車で走っているとなれば心穏やかではありませんでした。
その電車はEMU1200形と言う形式で、実はこれ以外にも何形式も吊り掛け電車は在籍している事がその後調べてみて分かって来ましたが、どれを取っても新鋭電車に押されてどうも先行きは明るくない模様です。
ツアーの案内に出ている吊り掛け特急は自強号として初日後半の移動で乗車体験ができることになっていました・・・・これでツアー参加することを周りへの根回しは後回しにして決定しました。
ところが、後日来たツアーの最終案内を見ると、吊り掛け特急車が故障を起こしてしまい調子はイマイチの由。
PP自強号=TGVのような両端が機関車の列車に差し替えもあり得るとの記述があり、またもや心穏やかでは無くなりました。

彰化駅駅長室 13.6.22

さて、件の電車は彰化の機関庫を訪問後の高雄までの移動で利用する予定です。
機務段で興奮の体験後(ここまでの様子はこちら⇒台湾に行ってきました)は、なんと駅長室を開放していただき、涼しい室内で休憩ができた上に、見学も出来ました。
何せ6月で外気温は34度のため、これは色々と有難いです。

彰化駅駅長室 13.6.22
先ほど見た機関車の走行シーンの絵?も飾られていました。
蒸気機関車を見て満足している皆さんをよそにドキドキしながら、自強号の到着を待ちます。
果たして目的の電車はやってくるのか不安です。

彰化駅列車到着案内 13.6.22
EMU1200形自強号 13.6.22 彰化 

私の心配をよそに予定通り目的の電車はやって来ました!
スカートのトラ塗りがちょっとケバいなあ~。

EMC1204 13.6.22 彰化
乗車するのはいちばん後ろの9号車。
電動車なのか制御車なのかが気になりますが、どっちなのか分かりません。
詳しい方に聞くと『EMC~』が『クモハ』みたいな記号のようです。

EMC1204 13.6.22 彰化

外観からは足廻りは想像し難いですが、走り出すとあの懐かしい音が響き出しました。
流石に特急車内はしっかり防音されてかすかにしか聞こえませんが、間違いなく吊り掛けモーターが唸っています。
冷房の効いたリクライニングシートに身を委ねて吊り掛けモーターの音を聴けるなんて、私にとっては天国に行った気分です。

13.6.22 嘉義

13.6.22 嘉義
途中嘉義では憧れのまだ見ぬ鉄道、阿里山森林鉄道の線路を見れました。
線路配置は機回し線があるだけの大変シンプルなもので、ちょっと拍子抜け。
残念ながら車両は居ませんでした。
途中区間の不通は未だ続いており、復活が望まれます。

EMC1204 13.6.22 高雄
吊り掛け音を聴きにデッキを往復、落ち着きのない行動をとりながらも、ご満悦です。
同じ吊り掛け駆動ながら、近代的な吊り掛け方式は日本の旧形電車のブルブル響き渡るような起動は無く、大変スムーズに起動、少し加速してから例の音が聞こえてくる感じで、感覚的には随分と違う印象を受けました。
EMU1200形は1987年南アフリカ製の電車で、勿論新しくはありませんが、決してそんなに古い電車ではありません。
同世代の電車はヨーロッパや南アフリカでは登場していて、結構今なお現役車は多いらしいことも今回知りました。
吊り掛け=古参車という図式はワールド・スタンダードでは無さそうです。

興奮のうちに終点、高雄に到着しました。

EMC1204 13.6.22 高雄
横から見ると初代レッドアローみたいです。

 13.6.22 高雄

この電車以外にも吊り掛け電車は最終日に七堵の車庫でも2系列見れました。
こちらは改めてご紹介します。

何はともあれ、長い一日がこれにて終了・・・濃密な一日でした。
明日は今回ツアーのメインディシュ、旧形客車に乗車予定です。



5 件のコメント:

  1. 吊り掛け自強号は私も乗りました。リニューアル前の200系でした。ヨーロッパでは1980年代まで吊り掛け車が新造されてました、同年代の吊り掛け車を拙ブログでも取り上げています。

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  2. さすが、Cedarさん
    ちゃんと乗られていますね。
    200系は随分姿を変えているみたいですね。
    世界の電車についての知識があまりないのですが、おっしゃるようにヨーロッパでは結構後年まで吊り掛け車が作られていたのですね。
    イギリスのVVVF吊り掛け車の存在にはびっくりしました。

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  3. ブログ何時も楽しく拝見させて頂いております。
    台湾の吊り掛け特急車、私も客室とデッキを往復して楽しんだ経験があります。また客車列車のギョ光号で、先頭客車のデッキに乗って機関車の吊り掛け音を聴き、かつての東北本線などの客車列車を思い出しながら楽しんだのも良い思い出です。

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  4. nnishi1968さん
    いつも弊ブログを見て頂いているとのこと、ありがとうございます。
    今回の吊り掛け特急の体験は楽しかったです。
    国内では既に体験できない高速運転が日常的に行われているところがこんな近くにあったのですね。
    客車列車も同様に懐かしかったです。

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  5. 生田絵梨花愛好者2015年12月29日 22:23

     台湾へは5年前の社員旅行で行ったことがありましたが、その時に自由時間を使ってEMU400形という南アフリカ製の吊り掛け通勤電車に乗りました。

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