2012年5月5日土曜日

1980年春、北陸電車巡り 本家地鉄電車訪問(5・高性能電車)

富山地方鉄道の高性能車のデビューは1955年で、下手な大手私鉄よりも早く、国鉄の101系デビューよりも早かった等、車両の整備には意欲的な鉄道でした。
訪問時の高性能電車は従来からの17両体制に新車14760形が仲間入りしたところで、高性能車の割合は概ね40%程度でした。
モハ14763 80.3.8 稲荷町
当時の最新鋭、14760形が車庫に入線して来ました。
前年が富山地鉄創立50周年にあたり、そのタイミングで新造された初の冷房車です。この年80年にローレル賞を受賞しています。
モハ10022 80.3.8 稲荷町
今や最古参となった10020形です。
湘南顔の前照灯3灯のオリジナルスタイルながら、側面の窓割りなどは先日引退した長野電鉄2000系同様に名鉄5000系や5500系のデザインとよく似ています。
モハ14772 80.3.9 越中三郷ー舟橋
地鉄電車最初の高性能車で1955年(昭和30年)製の電車です。未だ国鉄や大手私鉄でも吊り掛け電車を新造していた時代に現れていますので、やはり進取の気風のある鉄道であったわけです。地方私鉄としては初の高性能車であり、当時思いっ切った新造車ではなかったかと思います。
両運転台なので、結構重宝に使われていた感じです。
1981年に14760形増備に押されて形式が14790形に変更されています。優美な大きな一段窓は後年大きく改造されていました。
モハ14782 80.3.9 越中三郷ー舟橋
その翌年に製造された14780形は側面は似たデザインながら正面は湘南顔に変更、MT2漣で登場しました。
この写真を撮った当時は来たので取り敢えず撮っただけという、全く関心が無いに等しい電車でしたが、今見ると中々よろしいですね。
人間の好みなんて変わるものです。撮っておいて良かった・・・とこのネガを見て思いました。 
クハ182 80.3.8 立山ー粟巣野
残雪の立山をゆく14780形。

モハ14792 91.11.4 電鉄黒部
その後の初期高性能車の状況です。
モハ14770形は14760形増備に伴い追い出される形で形式も14790形に改番された上、車体も大改造を受けていました。
正面は三枚窓から他車同様の湘南顔に変更され、前照灯も左右二個に変更されています。
側面はワンマン対応を考えたとされる扉位置変更と窓の二段上昇型に変更等、別物のように改造されています。しかしながら、結局冷房化は見送られて高性能電車群の中では早めに廃車されています。


モハ14782 91.11.4 寺田

クハ182 91.11.4 寺田
14780形も同じように手が入っていました。 正面は前照灯の二灯化、スカート装備等、側面は窓が二段上昇型に変更され、冷房化改造もおこなわれていました。
 

クハ173 91.2.9 電鉄富山
11年後の訪問時の電鉄富山駅。当時の主力電車が顔を並べています。
こちらの電車も同様に冷房改造が施工されています。

1 件のコメント:

  1. こんばんは。
    富山地鉄の車両、自社発注の良き時代の車両のお写真を拝見でき、改めて魅力を感じました。
    どの社でも、乗客が減り体力が削がれてからは、大手私鉄の中古車両の導入が殆どになりましたが、今ではそれも価格高騰していると聞きました。
    富山地鉄でも東急から移ってきたロングシートのステンレス車が走るに至っていますが、どうか再び“地鉄らしさ”を取り戻して欲しいと願っています。
    夏も冬も、大きな山の景色を眺めて、イズムのある車両で旅したいものです。
    また訪ねる機会には、14760型に会いに行きたいものです。

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