2013年3月25日月曜日

国見山三重鉱山(1)

91年の正月、大学の鉄研仲間3人で延べ4日間の行程で紀勢線を撮影に行きました。
その時の一番の目的は、すでに先が見えていたキハ82の特急南紀の撮影でした。
正月元旦早々からの泊りがけの撮影行なんて、今やそれぞれ家族持ちになった身分では考えられないスケジュールですが、そういう自由なことができた最後の年でもありました。

その時の最後に訪問したのが国見山三重鉱山の専用鉄道です。
ここには元南海の古い電気機関車が活躍して居るらしいとの情報で、他の鉄道とは全く接続しない専用線で尚且つ電化線であることなど、是非一度見てみたい鉄道でした。
しかしながらここへのアクセスは想像以上に大変悪く、地図を見るとわかるのですが、紀伊長島・多気・賢島の三方向からのアプローチはできるものの、そのどこから行っても山道、それも一部は車一台しか通れないような悪路を延々と走らなくては行けません。
そのあたりで言うと、今アクセスが一番厳しい私鉄と言われている岩手開発鉄道どころの騒ぎではありませんでした。何せ鉄道で行けない鉄道なのですから。

ED2 91.1.4 吉津港
ホッパーの下で正月休み中の元南海機関車。

ED2 91.1.4 吉津港

結局この時は紀伊長島からの山道を約二時間走り、ようやく目的地の吉津港に到着しました。
吉津港には貨物列車が編成ごと繋がって停まっていました。
ずっと山道を走ってきたこんな場所に鉄道があることには実見しても不思議な感覚に襲われました。
到着直後、目的の元南海の機関車に会えましたが、残念ながらホッパーの下にお休み中でした。

91.1.4 吉津港
機関車も年代物ですが、貨車はまたその上を行く相当な年代物でした。

車番なし? 91.1.4 吉津港
このホッパー車、よく見ると二種類ありました。
ホイールベースの短いほうの貨車は何となく不安定な気がします。

91.1.4 吉津港
最後尾の貨車には推進運転用の運転台モドキが付いていました。
どこか不気味なお顔で、こんなのが薄暗くなった夕方なんかに背後から迫ってきたらちょっと気味悪そうです。

それにしても人っ気がありません。
今日は3が日明けの4日、てっきり今日から運行するものと考えての訪問でしたが、たまたま構内に居た職員の方に伺ってみると5日からしか操業しないとのこと。
今日動く姿を見るのは絶望的でした。
こんな奥地まで来たのに・・・ガ~ンという感じです。

91.1.4 吉津港
吉津港の積出施設全景です。

91.1.4 吉津港
残念なので、取り敢えず終点まで見にゆくこととしました。
こちらは熊野灘の海沿いに走る軌道。
良い雰囲気です。

91.1.4 吉津港ー国見山鉱山
更に奥まで行ってみると・・・このヘロヘロ感、堪りません。
推進運転で良くこれで脱線しないものです。

91.1.4 国見山鉱山
終点の国見山鉱山の積み込み施設です。

4 件のコメント:

  1. 良くぞこんな所まで、喝采ものです。時間のある大学時代のなせる業ですね。
    現役引退して時間は出来たものの、現在残っていたとしてもとても訪れる気にはならない場所ですね。
    続きを期待します。

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  2. 画像のヘロヘロ線路がなんとも、想像力を書き立てますねぇ・・・。

    微妙に遮断棒が上がるのが早いゴング踏切と、へそライトの10~13mくらいの小型の偽スチール電車と2軸客車の編成が走って来る情景が浮かびますね。

    線路の状態ゆえに「車内でつり革がブンブンと揺れまくる」雰囲気が・・・。

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  3. い さん
    本当に三重鉱山は行きづらい所でした。
    車で向かう途中もこんな所の先に鉄道が有るんだろうか?と思いましたが、その分見た時の感動は大きかったです。
    今だと躊躇してしまったかも知れませんね。

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  4. SMEさん
    この専用線は大変ヘロヘロで、こんなところを小さな電車が車体を左右に振りながらやって来たら、涙ものですよね。
    併用軌道風の区間が長く、どうしても走る風景が見たかったです。

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