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Tuesday, December 19, 2023

32年目のポルトガル その5・リスボンのトラムミュージアムへ。

 リスボン再訪の翌日は前回は見に行かなかった(前回は存在を知らなかった)トラムミュージアムを見に行くことにしました。トラムミュージアムは正式にはカリスミュージアムと言い、現在リスボン市内交通を一元運営しているカリスが運営するミュージアムですので、トラム以外のバスなども収蔵しています。

Museu da Carris

トラムミュージアムはリスボンのちょっと郊外にあります。そこへと向かう系統は基本的に新型の連接車が走っていますが、途中から分岐する系統には2軸の古いタイプのトラムが運用されています。これは線路状態から連接車では走れない区間があり、その系統についてはレトロな2軸車を使わざるを得ないからのようです。

Cais Sodre

まずは、懐かしの2軸トラムに乗車します。この電車は製造時期は古いのですが、狭隘な区間を新車に置き換えできない事情から、上回りをそのままに下廻りをジーメンスのハイテクメカに置き換えた車両で、古典的な見かけによらず高性能です。

集電装置はシングルアームパンタとポールの二刀流ですが、これも同様にポールでないと架線に追従できないようなシビアな区間があるためです。この区間ではシングルアームパンタで走ります。

車内は昔のまま

国鉄線CPの郊外電車と並走する区間では、古風なハイテク電車が何と郊外電車を追い越す始末。そのうえ、こちらがハイテクメカ車両なのにCPお電車はステンレス車体ながらもなんと吊り掛け駆動というのも笑えます。

郊外電車を追い抜くトラム

途中の乗り換え駅でしばしやってくるトラムを撮影します。今風の連接車と戦前からのトラムが同じ線路を走ってくるというのも面白いです。

Calvario


撮影後はトラムミュージアムへ。

ミュージアム エントランス

サウジサウダージの国らしく、ミュージアムはお昼時間帯は閉館。午前か午後が営業時間です。

屋内展示エリア

ここのミュージアムの面白いことは一般的な屋内のミュージアム展示エリアと保存車両展示エリアが同じ敷地内ながら別の場所で、その間を動態保存のトラムで乗車体験ができることです。

この電車がご案内

こちらはさすがにハイテクではなく、ちゃんとローテク電車です。工場内をぐるっと回って到着したのはこちら。古めかしい車庫と味わい深いトラバーサがお出迎えです。


送迎車両の終着部はこんな感じです。


トラバーサーもなかなかのものです。

庫内の収蔵車両はお見事の一言で、創業時から今も現役レベルまで各種取り揃え。ため息が出てしまいます。収蔵車両は動態のものと、静態のものがあり、どれも美しく整備されており、自由に四方から眺めることができる素晴らしいものでした。

その様子の紹介は次回にします。


4 comments:

モハメイドペーパー said...

ハイテク電車にもハンドブレーキがあるんですね。ローテクは左右にハンドルがあるけど、2軸別々にブレーキがかかるのでしょうか。

chitetsu said...

モハメイドペーパーさん
よくわかりません。
常用は右のハンドブレーキでした。

Cedar said...

ここ、ホントに凄かったですね、あんなヨーロッパの辺境でこのクオリティは「腐ってもヨーロッパ」と思いました。

chitetsu said...

Cedarさん
凄かったですね。
チューリッヒのトラムミュージアムが結構狭かったので、あまり期待していませんでしたがそれを数倍上回る規模でゆったり展示されているのには驚きました。
我が国では実現できない展示と感じました。