今回はその画像から、二往復目の列車を安善駅で撮ったものから、窓の開き方に着目してまとめました。
クハ79392 80.1.20 安善 |
こちらは安善駅で撮った写真です。
73系電車の窓の開き方に注目してください。
さよなら運転の編成は半鋼製車・三段窓のクハ79形、全金属量産車のモハ72形、63形を改造したクモハ73形を近代化改造したクモハ73形という、出自がそれぞれ異なる3輌編成でした。
三段窓は登場当初の設計思想が裏目に出て開口部が狭すぎて避難の妨げになるという状況を作って多くの被害者を出してしまったことから63形の悪名を高くする原因を作りました。
改良後・量産車ではその点が改善されて写真のように何通りかの開き方ができるようになっています。
下段と上段を上げると中段のみが残ります。
下段と中段を上げると上段が残ります。
そのあたりの仕組みがこの画像からわかるかと思います。
73系電車の窓の開き方に注目してください。
さよなら運転の編成は半鋼製車・三段窓のクハ79形、全金属量産車のモハ72形、63形を改造したクモハ73形を近代化改造したクモハ73形という、出自がそれぞれ異なる3輌編成でした。
三段窓は登場当初の設計思想が裏目に出て開口部が狭すぎて避難の妨げになるという状況を作って多くの被害者を出してしまったことから63形の悪名を高くする原因を作りました。
改良後・量産車ではその点が改善されて写真のように何通りかの開き方ができるようになっています。
下段と上段を上げると中段のみが残ります。
下段と中段を上げると上段が残ります。
そのあたりの仕組みがこの画像からわかるかと思います。
クハ79392 80.1.20 安善 |
座席のない乗務員扉後方の窓も結構な面積が開きます。
モハ72957 80.1.20 安善 |
全金車になってからはさらに大きく開けるようになりました。
このように窓は開口部一杯まで開き、サッシュの一部しか残りません。
クモハ73029 80.1.20 安善 |
近代化改造車も同様な構造で、101系以降の電車にもこの構造は踏襲されています。
冷房装置が普及し、ユニット窓なども登場した今では考えられない構造とも言えます。
アップにしてみました。
乗務員扉後方の窓は完全に箱乗りができる状態で、今では危険と判断されるでしょう。
当時は客車はドア開けっぱなしで90Kmぐらいのスピードで走っていた時代なので、これ見ても何の違和感はありませんでした。
クモハ73029 80,1.20 安善 |
というわけで、これが鶴見線電車最後の走行シーンを撮ったショットです。
以上、首都圏最後の73系電車旅客営業運転見聞録でした。
9 件のコメント:
三段窓の仕組みは、あまりよく理解していなかったので、興味深く拝見しました。
鶴見線の73系は引退直前に乗りに行った記憶があるので、日時を調べてみたら、さよなら運転前日の1月19日のことでした。その日は、車内も沿線も、閑散としていたような記憶があります。
あれから40年も経ったのですね(しみじみ)。
3段窓の仕組みはなかなかよく考えられています。今の人は持ち上げて引っかけるという構造が理解できていないから、開け閉めはできないでしょうね。
桜山軽便さん
窓というのは夏場でも意外としまっている部分が多いものです。
この時はやはり特別なので、すごく一杯開いていて構造を見るのには最適でした。
前日はやはり閑散としていたのですね。
あれから40年も経ったのが驚きです。
じじいになるわけです(笑)。
モハメイドペーパーさん
考え方として三段窓は面白かったですね。
確か最初は下段もひっかけ構造でしたね。
非冷房車ばかりだった頃は、通勤客が全開式の二段窓を三段窓風に組み替えて車内に風を入れていて、乗る方も心得たものでしたね。乗客が少ない時間帯は小学生が窓を全開にして遊んでいました。三段窓は国鉄独自の発想でしたが、全開式の二段窓もモハ72とクハ79の920番台が本邦初だったんでしょうか?
横レス、失礼します。完全上昇の2段窓ですが、戦後間もなくの阪急550系、700系が全開できたそうです。いわゆる規格型で幕板が広いから可能だったのでしょう。だとすればほぼ同じ形態の京阪1300形も全開可能だったかも知れません。
モハメイドペーパーさん
阪急550系と700系が、いち早く完全上昇の二段窓だったんですか。敗戦直後の大混乱、電車の窓ガラスが壊されるのは当たり前で物資も不足していた頃に、そのような車両を登場させた阪急の底力は凄いですね。
midorinoneko さん
モハメイドペーパーさん
もうモハメイドペーパーさんから回答が出ましたね!
戦後の規格型は幕板が広いものが多かったですね。
資材との絡みでのことだとは思いますが、窓全開できたのは福音でしょう。
モハメイドペーパーさんもありがとうございました。
こんばんは。
大変興味深く拝見させて頂きました。
実際の経験のない私には、三段窓は“逃げられない程の小さな開口部”とのイメージが強く、1枚目のお写真のちょうど中程の窓のように中段が残っているのが窓を開けた時の姿だと思っていました。
今では空調が通年で使用され、通勤電車でも固定窓が珍しくなくなりました。開けることのできる窓でも、上下方向だけでなく、車内側に折れる形で開けるものなど、過去には無かったタイプが増えてきています。
一時は開けられることなど殆どなくなっていたところに、今のコロナ禍、ことごとく開けられている様子を見て、鉄道車両のあり方を考えるのも一筋縄ではいかないのだろうと実感しています。
風旅記: https://kazetabiki.blog.fc2.com
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