その3形式の中では一番最後まで本線で現役だったはずのモ2200形だけは何故か一度も写真を撮ることなく姿を消してしまいました。
そんなモ2200形ですが、全くの偶然でその生き残りの電車に出会うことができました。
先日の関西遠征の折(こちら⇒長い一日~株主優待切符でゆく中部・関西遠征の旅)、アーバンライナーの車窓から懐かしい名張の風景を見て、昔見た2200のネガをスキャンしてみました。
モワ20 83.3.2 名張 |
出会ったのは伊賀線のモ5000形を見にゆく時(こちら⇒近鉄伊賀線のモ5000)に名張の駅での乗り換えの時でした。
モ2200形は引退後に一部車両が事業用車として残存していたことは、今と違って情報不足この時には知りませんでした。
モ1486、モワ20 83.3.2 名張 |
名張で下車して乗ってきた電車と重厚な木造駅舎を絡めて写そうとしたら、
ナント!
奥に停車しているモ2200を発見!
これには大変びっくりしました。
今見ると右手の木造の立派な駅舎も乗ってきたモ1486も結構な電車に見えますし、左手の木造上家、どれをとっても役者揃いで懐かしい風景です。
モワ20 83.3.2 名張 |
モワ20形は20から22までの3両が改造されて誕生した電動貨車で、もとは2227形・もしくは2200新と呼ばれた2200形のモデルチェンジ増備車です。
それ以外にも高安工場構内の車籍無しの入換車にも2200新が使われていたらしいです。
このモワ20は元モ2231で、2200新の中でも特急用の特別整備を受けて埋め込み型前照灯に改造されている車両です。
モワ20 83.3.2 名張 |
名張駅の側線では、こんな編成で留置されていました。
この編成の両端にはスノープローが装備されており、山越え区間の積雪時はこの電車が除雪に出動をしたのかもしれません。
モワ20 83.3.2 名張 |
こちらはパンタ側。
正面窓が特別整備時にHゴム化されています。
『私鉄電車のアルバム』の写真ではクロスシートが残存していたようですが、この時の様子ではその後に改造されたのかシートは撤去されているように見えます。
モワ16 83.3.2 名張 |
編成相手のモワ16はモ2200新と同じデザインコンセプトのモ1400形を改造して誕生した電動貨車です。
モ1400形とモ2200新は製造時期もほぼ同時期で、車体のデザインや主要機器類もほぼ同一の設計で、用途の違いで2ドアクロスと3ドアロングシートになっているのが違いの兄弟車です。
モワ10形は荷物輸送その他に活躍、モワ11から19まで9両と相方の制御車でクワが51から52の2両の合計11両の結構な所帯でした。
モワと荷物輸送風景はこちら(⇒1980年春、電車めぐりの旅)。
モワ16(左)、モワ20(右) 83.3.2 名張 |
どちらの電車も格好良い電車でした。
現役時代の勇姿が見られなかったのは残念ですが、実物をこの目で見れただけでも幸運だったのかもしれません。
4 comments:
こんばんわ。
モ2227形から改造の事業用車は、割と遅くまで
生き残っていましたが、結局1両も保存されずに
姿を消した(運転台のみ、暫く残っていた様
ですが)のが、残念な車両です。阪急がP-6
や900号車を動態保存で残しているのとは、
随分扱いが違いますが、仕方ないですね。
ちなみに、モワ20形で、クロスシートを残して
いたのは、鮮魚列車に使用されていたモワ22
の1両だけで、写真のモワ20や、無番の入換車
は、クロスシートは撤去され、救援用資材等
が積まれていた様です。
nnishi1968さん
こんばんは。
せっかく残っていた名車を保存できなかったのは残念ですね。
近鉄はそのあたりについては結構冷淡ですね。
他社譲渡も少なかったことも原因かもしれません。
モワ22が鮮魚列車に使われていたとは知りませんでした。
この時代の私鉄事業用車両はどこも個性的な吊り掛け車両ばかりで見ていて楽しいですね。
しかも旅客用車両の面影が色濃く残ってるのが良いですね。
今では事業用車両そのものが無くなった私鉄も多いので、一抹の寂しさを感じさせますね。
宵闇さん
事業用の車輌は営業用のお古、という相場も最近は崩れてきていますね。
何事も合理化、詰まんないです。
嗚呼・・。
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