不人気海外ネタを投入する時は、いつも気分転換したい時。
今回もそんな気分となりましたので、久しぶりにまいります。
先日のFOの機関車(こちら⇒30年振りの再会~FOの電気機関車)を某銀座模型屋4階で購入したのが運の尽き。
もう一両欲しくなってしまいました。
そこで、見なきゃいいのにヤフオクなんかを見てしまったら、ちょうど欲しいベルニナ線の電車が2まんえんで出品されていました。
あと二日で応札者ゼロ・・・
ひょっとして、これはイケルカモ・・・・。
っと思ったときには、既にカチッとクリックをしてしまいました・・・嗚呼!
そして、案の定誰も応札なしで私の手元にやってきました。
ヤフオククモロハ電車、到着です |
早速開封してみたところ、大変綺麗な状態のものでした。
誰かさん(ってワタシのことですが)のクモロハのようにスチロールベタッ!みたいなことは当然なし。
流石ベモ、相変わらず良くできています。
正面はディテールフル |
正面はいろんなものをいっぱい付けなくてはいけません。
一通り付けての記念撮影です。
どこか日本の電車にも通じそうなデザインだと思いませんか?
屋根上の機器との関係もあるんでしょうね。
昔お世話になった時のことを思い出してきました。
43 90.10.26 Pontrejina |
こちらが、この模型の実物です。
直流1000V、1000mmゲージの吊り掛けで電車です。
形式はABe4/4といい、41から49号機まで9両が1964年から1972年にかけて製造されています。
本形式はその後長らくベルニ ナ線の主力電動車で、機関車同様に客車を牽引して活躍していました。形態は中央の出入り口を挟んで片側が1等席、反対側が2等席に分かれていて、以前紹介した電車と同じ日本で言うところの『クモロハ』電車です。
この『クモロハ』電車が走るベルニナ線は見どころ満載で、近年は世界遺産にまで登録されたほどです。
その中で私がどうしても見たかったのが終点のティラノに近いブルシオ駅付近に存在するオープンスパイラルでした。
90.10.26 Bursio |
と、言う訳で件のオープンスパイラルに向かった時の様子を以下、ご紹介しまします。
その『クモロハ』電車で憧れのブルシオ駅に到着しました。
まずは乗ってきた列車を見送ります。
90.10.26 Bursio |
こちらがBursio(ブルシオ)駅。
ここブルシオ駅からカンパッチオ駅間には高低差を稼ぐための世界的にも珍らしいオープンスパイラルが存在します。
半径50~70m 勾配70‰で360度旋回する石造のオープンループ橋で、こちらは沿線の名所のひとつとなっています。
ベルニナ線の路線図 |
こちらが、ベルニナ線全体の路線図(RhbHPから)です。
途中には粘着路線で最高地点を誇る区間を挟んでものすごい高低差のある路線をラックレールを使わずに粘着運転で列車は右に左に身をくねらせて走行します。
地形図 |
こちらが、そのブルシオ付近の地形図です。
地図一番上のヘアピンカーブ部部分がブルシオの駅。
そこからどんどんティラノ(地図の下側)に向かって高度を下げてゆきます。
その途中に件のオープンスパイラルが存在します。
45 90.10.26 BursioーCampascio |
駅からテコテコ歩いて遂に我が目でオープンスパイラルを見ることができました!
先ずはそのスパイラル橋の袂でやって来る列車を待ちます。
最初にやってきたのはチキみたいな貨車を従えた混合列車。
模型のような列車です。
90.10.26 BursioーCampascio |
上の写真の場所で左を向くとこんな感じでオープンスパイラルを見ることができます。
先ほどの電車がこれから登るアーチ橋を潜ります。
45 90.10.26 BursioーCampascio |
アーチ橋を登ってきました。
45 90.10.26 BursioーCampascio |
眼前を吊り掛けモーターの音を唸らせて通過してゆきました。
次は岩肌を登ってオープンスパイラルの全貌を俯瞰しました。
この岩肌は見た目には木が無いので登りやすそうに見えますが、実際に近づくと一つ一つの岩が大変大きい上に、ガタガタ動いたりまでして大変オッカナイものです。
その岩をおっかなびっくり登ってゆきます。
そうすると何故か岩山の中腹には鹿が何匹もいて、不審そうに自分のことを睨んでこれまた良い気分ではありません。
でも、ここに来てオープンスパイラルを見るのがこの旅の大きな目的の一つなので、簡単には引き下がれません。
大変時間が掛かりましたが何とか全貌を俯瞰できる地点まで登ることができました。
ただ、一生懸命登ってもスケジュール的に撮れるのは1列車だけになりそうです。
準備万端整えてその列車を待ちます。
90.10.26 BursioーCampascio |
ブルシオを出発してやって来た列車は幸い長編成の列車でした。
これなら、この場所でも見栄えがしそうです。
それではぐるっと回る列車を連続写真でどうぞ。
1・まずは村の外れを下ってくる列車を捉えました。
90.10.26 BursioーCampascio |
2・ここからいよいよオープンスパイラルに差し掛かります。
90.10.26 BursioーCampascio |
例のクモロハ電車が重連で客車を牽引しています。
90.10.26 BursioーCampascio |
90.10.26 BursioーCampascio |
もう、大忙しです。
90.10.26 BursioーCampascio |
先頭のクモロハは既にループをほぼ回りきりました。
90.10.26 BursioーCampascio |
7・スパイラルを通過して牧草地を軽快に走ってゆきます。
90.10.26 BursioーCampascio |
8・更にその先まで追いかけます。
憧れの場所でのワンチャンス。
何とかなりました。
90.10.26 Bursio |
目的達成してブルシオの駅に戻ってきました。
90.10.26 Bursio |
列車到着までの間、満足感に浸りながら暫し暇つぶしをしました。
一見長閑な桃源郷、撮影したらメチャハード!ってえ事はありますね。
ReplyDelete鹿のいる岩を登ったことはありませんが、蛇のうじゃうじゃいる草むらを横切って撮影したことはあります、日本ですけど。
山あいに吊り掛けモーターというのが良く似合いそうですね。
ReplyDeleteでも登山電車というより何処と無く飯田線に似た沿線風景という感じですね。
Cedarさん
ReplyDelete岩がゴロゴロ積み重なった風景は国内ではあまりお目にかかれない風景ですね。
それも近ずくと一つの岩は結構大きいのに動いたりして、スリル満点でした。
地震国ニッポンでは放置出来ない危険地域になってしまいそうです。
蛇うじゃうじゃは鹿以上に勘弁して欲しいです!
宵闇さん
ReplyDeleteこの路線は地形に合わせて線路が右に左に曲がりながら高度を稼ぎます。
その点では、飯田線と通じるものがあるかも知れませんね。
粘着運転の鉄道として森林限界の上まで登り詰める稀有な鉄道の風景は素晴らしいですよ。
このブログを見ていて、学生時代にクールでサンモリッツに行こうか、ツェルマットに行こうか悩んだ末にツェルマットに行ったことを、今になって急に後悔しだしました。
ReplyDelete本で見て知ってましたが、愛好家が撮った写真はそれとは比較にならないほど魅惑的ですね。
行ってみたい・・・。
品じぃさん
ReplyDeleteツェルマットも魅力的ですから悩んでしまいますよね。
自分も学生時代はツェルマットを選んじゃいました。
二回目で夢が叶いましたが、ラーゴビアンコやまだまだ見たいところが一杯あります。
また行ってみたいです。
日本のように軽量化に走りすぎてのシングルアームじゃないですからね、向こうは昔から使ってましたし。
ReplyDeleteそれより、脳内でビリー・バンバンが流れてきました。
ああ、某焼酎が飲みたくなってまいりました。
なにわさん
ReplyDeleteヨーロッパではずいぶん前からシングルアームパンタが採用されていました。
日本でシングルアームパンタが採用された時、その後の猫も杓子もシングルアームパンタ化されたのに、日本の右に倣え文化を感じてしまいました。
スイス好きの親狸です。はまると底なし沼です。一週間前ぐらいから芦屋MBでHOmの出物が大量にでています。機関車は1.5から1.8諭吉、客車・貨車は1〜2.5野口で、まだ多数残っています。機会があれば覗いてみる価値十分ですよ。なお通常のBEMO機関車は車輪を押せば、9ミリから12ミリに改軌できます。
ReplyDelete親狸さん
ReplyDeleteこんにちは。
元祖スイスメーターゲージ好きのご登場!
まさに泥沼ですよね。
芦屋の情報見るのが怖い気もするですが、見てみたい気が上回りそうです。
改軌もお試ししてみます。