名鉄築港線は沿線に多くある工場への通勤路線で、過去から専用車両で運用されていました。
また過去の築港線は貨物量も多い路線でしたが、名古屋臨海鉄道の開業によって輸送量は激減し、1984年には貨物営業が廃止されてしまいました。
築港線は1駅だけの短い路線ですが、途中には名古屋臨海鉄道東築線との90度の平面交差(ダイヤモンドクロッシング)があるのでも有名です。
92.1.14 大江 |
83.3.1 大江 |
築港線のホームは常滑線とは分離された形で立地していました。
デキ602 92.1.14 大江 |
大江駅の構内には保線用の貨車を繋いだデキ602が休んでいました。
デキ603 92.1.14 大江 |
ク2791 83.3.1 大江 |
ここ築港線を走る電車は専用車両でした。
前後の車両は何と、台風で廃止に追い込まれた東濃鉄道の電車を整備した車両で、大手民鉄が地方私鉄の電車を譲り受けて運用させるのは非常に稀有な事例です。
1975年当時はオイルショックの影響でそれだけ車両需要が逼迫していたということなのでしょう。
その上この3790系、元を正せば西武151系電車で、西武⇒東濃⇒名鉄という遍歴を経ています。
ク2791 83.3.1 大江 |
ク2815 83.3.1 大江 |
3800系の中でも微妙にスタイルの異なる車両で、唯一の電装解除車両です。
モ3791 83.3.1 大江 |
東濃鉄道からやって来た3790系電車は元を正せば西武鉄道の151系電車です。
西武線の電車がこんなところを走るとは夢にも思わなかったでしょう。
モ3791のパンタグラフ部分は東濃時代に若干の低屋根になっていました。
モ3791 83.3.1 大江 |
工場地帯の無味乾燥な風景が続く築港線最大の見所は言わずもがななダイヤモンドクロッシングです。
この平面クロスは東名古屋港に向かう臨港線とクロスをするもので、旅客列車が通過する区間では大変希少なものです。
雑誌ではアメリカのダイヤモンドクロッシングをみていたものの、実見したのは初めて。
不思議な気分でした。
ク2791 83.3.1 大江 |
モ3791 83.3.1 大江 |
モ3791 83.3.1 大江 |
地盤沈下でもあったのでしょうか?
92.1.14 大江ー東名古屋港 |
上には中部HSST開発のHSST方式によるリニアモーターカー実験線が設けられ、実験運行が行われている時期が有り、平面と立体の二重クロス状態になっていました。
8 comments:
名鉄では以前、各務原線岐阜~田神間で
専売公社引き込み線との平面交差がありました。意外?に大きな音と振動が有りました。
常夜燈さん
そう言えばそんなのがあったのを何処かの記事で見たような気がします。
我が目で見たかったです〜
臨港鉄道ってサイバーパンクな雰囲気が好きなんです。
そこに電車が走る区間は少ないですね。名鉄のここ、一度行こうと思ってるうちに、チャンスを逃しました。
西武⇒東濃のもう1本は、流山に譲渡されました。
こちらも、以前に紹介されていましたね。
瀬戸線名物の流線形ガソリンカー改造電車ですが、転属前は築港線で電気機関車に牽引されて使われたようです。
chitetsuさんが書かれているように東濃鉄道駄知線は1972年の水害により運休→廃止されました。
前年に笠原線(非電化)の旅客輸送を廃止したため、東濃鉄道は西濃鉄道とともに貨物専業になりました。
なお、笠原線はその後路線廃止となりました。
Cedarさん
臨港鉄道・・・不思議な魅力のある鉄道ですね。
近年まで確か田浦にもこんなダイヤモンドクロッシングがありましたね。
でも電車がそこを走る姿はなかなかお目にかかれないですね。
インターアーバンの世界にタイムカプセルで行ってみたいChitetsuでした。
元・いきもの部長さん
東濃線の電車は売れ行き良かったですね。
電車については名鉄、琴電、流山に確か全車引き取ってもらえたはずですね。
流山のも名鉄で改造して入線しています。
その時、名鉄が良い方をガメたらしいですね。
初めて行ったとき、工場地帯の中を走る鶴見線のような雰囲気だったような気がします。
見るもの全てが新鮮でした。
20世紀から21世紀に変わる時に、小生は転勤のため名古屋勤務となったので、再訪してみましたが、記憶に残っていたのは平面交差だけでした。既に見るべきものは無く、もう来ることは無いなとの感じがして、大江駅で記念に補充券を作ってもらいました。
今回の写真を見ると、光陰如矢という言葉を思い指します。
この写真見て少しセンチな気分のmaruha殿
自分も同じような印象を持ちました。
記憶もダイヤモンドクロッシングぐらいしか残っていなかったのも一緒です。
なんか不思議な路線ですね。
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