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Friday, June 28, 2013

台湾鉄道三昧の旅〜旧型客車の旅

台湾鉄道三昧の旅、 第三回目は今回のメインディシュ、南廻線の旧型客車乗車体験です。
こちらを見て頂くとこの日全体の様子が分かります(⇒いすみ鉄道社長ブログ 台湾鉄道三昧の旅・2日目)。
旧型客車乗車の前に高雄港にある打狗鐵道故事館という保存施設を見学しました。

13.6.23 西子湾

利用する交通機関は台北同様新都市交通システム(KRTC)で、駅構内は大変広く施設も充実していましたが、いかにせん利用客はまだ少なく、当面は赤字であろうとのことです。
車両はドイツのシーメンス製で、至る所が日本の車両と設計ポリシーが異なり、見ていて興味が尽きませんでした。
特に吊り革やスタンションポールあたりが目に見えて異なるところですね。

13.6.23 打狗鐵道故事館

こちらが終着駅を上がった真上にある打狗鐵道故事館です。
ここは昔の高雄港駅にあたり、ここから沢山の物資が日本へと渡りました。
今は廃線となっていますが、当時の施設を利用して記念館にしています。
小樽と良く似ています。
構内にはこちらにも懐かしい蒸気機関車が保存されていました。
こちらでも熱烈歓迎を受け、コンプレッサーを回して、汽笛を鳴らさせてくれるサービスをしてくれました。汽笛は空気だけでは良い音が出ないとのことで、水を混ぜた圧縮空気を送っていました。


CT259 13.6.23 打狗鐵道故事館

こちらはCT259。
1929年三菱重工製で、日本のC55の3次形と同形です。
こちらは使い勝手が良く、信頼性が高かったそうで、1982年まで現役だったそうです。
大きなスポーク動輪が美しいです。

DT609 13.6.23 打狗鐵道故事館

こちらはDT609。
1929年汽車会社製で日本の9600です。
9600は1922年から1938年まで導入され、最後は1982年まで活躍していました。
見た目は国内の9600と前照灯とカウキャッチャーぐらいしか差がなさそうです。
見学後再びKTRCで高雄駅に移動。

DHL114 13.6.23 高雄

駅構内に入ったら、荷物列車がちょうど入線中でした。

行李車(荷物車) 13.6.23 高雄


台湾では未だに荷物列車が運転されています。
客車は日本のマニ36あたりの近代化版です。
客車列車の接続する枋寮駅までは気動車で移動です。

DR3002 13.6.23 高雄

この日本顏の気動車は日立製作所製で、堂々12両編成で入線して来ました。
気動車は基本3両がユニットのようで、それの倍数で編成されています。
今回見た最大編成は12両ですが、お話では最高15両編成まで走るそうです。

自強号車内 13.6.23

車内の様子です。
中央の仕切りが如何にも中華風ですが、これは仕切りでは無く排気管の立ち上がりをデザイン処理したものでした。
着席するとエンジン音も走りっぷりも日本の気動車特急ソックリで、キハ82に乗っているかのような印象でした。

途中で、翌々日に高架に切り替わるという区間が結構な長さでありました。
切り替え後の高架線が目線よりちょっと高いぐらいの大変中途半端な高さで、周りは畑や田んぼばかりの区間で高架化する意味が分からないような区間でした。
これを見て皆、どこかの国の悪名高い意味無し『公共工事?』と話していましたら、実はうなぎの養殖で水を汲み上げた結果海抜が0メートル以下になって冠水被害が出るまでに至っての高架化だとの説明があり、国が違うと色々と違う悩みがあるものだと思った次第です。

R128(左)、DR3039(右)
13.6.23 枋寮

この気動車に乗ること約1時間、客車列車の待つ枋寮駅に到着です。
枋寮駅を出て行く気動車。
反対側は電気式ディーゼル機関車牽引の客車列車です。

13.6.23 枋寮
 13.6.23 枋寮

こちらがお目当ての旧形客車列車です。

R131 13.6.23 枋寮

旧形客車列車の先頭に立つのはアメリカンな機関車。
パワフルなんでしょうが、すごくうるさい機関車でした。

R131 13.6.23 枋寮


先頭に立つ電気式ディーゼル機関車の運転席には今回の旅で何かと便宜を図って下さっている台鉄OBの郭さんの教え子が座っており楽しそうに会話をしていました。
こう言う風景、何と無く良いですね。

 13.6.23 枋寮

こちらは枋寮駅の駅前風景です。
熱帯地方の海べりの風情が漂っています。
道のすぐ先はもう海です。

SPK32757 13.6.23 枋寮

今回乗車する客車列車はスハ44をナハフ11風に近代化したスタイルの好ましい客車で、我々の為に一両貸切車を増結してもらっていました。

スハフ43 19 81.3.7 高松

因みにこちらが国鉄のスハフ43。
一回り年代がかっているものの、良く似ています。

SPK32757 13.6.23 枋寮

車内はクロスシートで、転換可能な構造で、その点はスハ44より使い勝手が良さそうです。
四国で乗ったスハ44が固定シートで後ろ向きに乗車したのを思い出しました。

TPK32215 13.6.23 枋寮

こちらはデッキなし両開き扉装備の近郊型の客車で、編成に一両だけ組み込まれていました。
こちらはインド製です。

TPK32215 13.6.23 枋寮

同じくこちらがインド製客車の車内です。

満腹駅弁

さて、いよいよ客車列車の旅が始まりました。
車内では駅弁が配られて、正に汽車旅気分です。
弁当はサービスのオムレツも付いてボリューム満点、美味しかったです。
因みに台東駅で見た駅弁は大変リーズナブルで、似たような内容の弁当は日本円換算150円強でした。

SPK32757 13.6.23 枋寮

途中で山越え区間があり、雄大な山岳風景の中を快走します。
トンネルも多く、開け放った窓からはトンネル特有の匂いと冷気が車内を吹き抜けてまさに少年時代に親に連れられて味わったは夜汽車気分です。

 13.6.23 金侖

こちらは途中駅での光景です。
椰子の木が生えた南国らしい駅風景です。
台風銀座の台湾では駅舎もホーム上家もコンクリート製の強靱なものになっています。

 13.6.23 大武ー瀧渓

山越えが終わると再び海岸線をひた走ります。
最後尾のデッキから線路が流れて行く風景・・・今となっては日本ではもう経験出来なくなりました。

SPK2348 13.6.23 大麻里

途中駅には余剰となった客車が何カ所かに留置されていました。
こちらは乗車中のスハ44タイプに冷房を載せて復興号(準急列車)色に塗って走らせたものの、アコモデーションが悪すぎて、こんなのに金払うのか!!と不評で御用済みになってしまったと説明がありました。
なるほどね。

R131(左)、R135 13.6.23 知本
台東に近づいた知本駅で台湾一周観光列車と交換しました。
日本一周観光列車もあって欲しいですね。
退避する客車列車の車内は止まってしまったら・・・うだるような暑さ。
外気温34℃の灼熱の中、汗だくになって悦ぶ車内の人々は超例外のお客様です。

13.6.23 台東

約二時間強のタイムスリップの旅を終えて、台東に到着です。
到着したここは正に南国の駅でした。

6 comments:

勘定奉行 featuaring maru-ha said...

ビロウな話で恐縮ですが、厠はどのような状況でしょうか?
連れの人に「オレ、オレ!!紙っぃいいい!」というような悲劇になることはありませんか?

Cedar said...

南廻線の客レは台湾最後の青客車なのですね。
私が行ったときは台東線のナロー気動車を客車として使っていました。大形DLと小柄なトレーラーのコントラストが極端でした。http://cedarben.blog.so-net.ne.jp/2010-05-24

nnishi1968 said...

こんばんわ。

今日は旧型客車の旅ですね。長い事台湾の鉄道に乗っていませんが、何とも羨ましい限りです… 

ニセ復興号(?)の客車も残っているんですね。この車両、冷気平快(冷房付快速列車)に使用されていた頃に乗りましたが、思いのほか冷房が効いて、寒かった記憶があります。

地方の駅に留め置かれた、廃車待ちの車両… 国鉄末期の光景そっくりですね。

chitetsu said...

勘定奉行maru-ha殿
車両の厠はぼっとんでした。
建物は行った範囲が狭かったので何とも言えませんが意外と普通でしたが、あんまり紙流すと直ぐに詰まっちゃうらしいです。

chitetsu said...

Cedarさん
南廻線の一往復が最後の青客レのようです。
ナロー気動車改造の客車列車、機関車の大きさと対照的ですね。
この頃はあちこちで青客車が走っていた頃ですよね。
もっと早く行けばよかった・・・と無い物ねだり中です。

chitetsu said...

nnishi1968さん
約二時間強の旅でしたが、昔の客レを思い出す懐かしい旅でした。
窓から見える南国の海の景色も素敵でした。
台湾の冷房は強烈ですね。
吊り掛け特急も強烈で暑がりの私でも寒くなりました。
台湾では涼しい(涼しすぎる?)冷房がサービスだと思っているとガイドさんのコメントがありました。