Monday, December 3, 2012

北陸鉄道6000系~実車と鉄コレ

鉄コレ16弾レビュー第2弾は北陸鉄道6000系電車です。

良いプロポーションの6000系
北陸鉄道カラーを纏った鉄コレ、良いですね~。

正面のアップ


北陸鉄道6000系電車は1962年日車本店で製造された、北陸鉄道初・・・そして今のところ最後の自社発注カルダン車です。
本形式は当時の景気の影響を受けて増加する山中温泉への観光客輸送の目玉として製造されたロマンスカーでした。
車両には地元の特産、九谷焼に因んで『くたに』号と命名もされ、当然ながら主に山中 - 大聖寺間で山中線の看板電車として運用され、増備車6010系と合わせて温泉電軌から成長したローカル私鉄の最後の華を咲かせました。
しかしながら製造後10年も経たない1971年の加南線廃止により本来の使命は10年となく終了、ロマンスカー2編成は車両限界の制約から北陸鉄道他線への転用が不可能であったために北陸鉄道と同じ名鉄の資本系列下にある大井川鉄道に譲渡されました。
大井川鉄道では架線電圧が1500Vだったために暫定的にトレーラー扱いでの入線となり、結局は昇圧改造が難しい本系列は折角の高性能は生かされず、そのままトレーラーとしての生涯を過ごすことになりました。


クハ6051 90.11.18 新金谷
新金谷で休む6000系電車。
車両の愛称が『くたに』号から『あかいし』号に変わっています。


モハ1906ほか5連 90.11.18 家山ー抜里
元小田急の1900に牽引されて5連で走る『あかいし』号。
小田急+北鉄+西武という百鬼夜行のような編成です。
私が訪問した時の印象では、あまり大活躍という印象は少なく、多客時対応の使われ方が多かった気がします。

そして次に同車を見たのは・・・

94.12.12 新金谷
渡っちゃいけない三途の川ではなく、走っちゃいけない新金谷の側線の先に・・・


クハ6051 94.12.12 新金谷
貨車の向こう側に留置されていました。
ここに押し込まれた電車は二度と本線に戻ることができずに朽ち果てて解体・・・過去からの流れとして容易に想像できます。

クハ6051 94.12.12 新金谷
編成全体の最後の姿です。
結局ここに約2年弱放置されて1996年3月に廃車になっています。

クハ6052 94.12.12 新金谷
相方の元電動車モハ6001改めクハ6052です。
デビューが華やかだった分、その最期の姿は寂しいものがありました。

モハ1906 94.12.12 新金谷
牽引車を勤めてきた元小田急のデハ1900も同じ運命を辿りました。
現役時代は車内設備の落差が大きいために客扱いをしないで牽引車役に徹していたことが多かったと聞きます。

モハ1906 94.12.12 新金谷
模型みたいな貫通戸の塞ぎ方でした。
SL急行がもてはやされる中、地道に地域輸送に貢献してきた過去の名車たちが半ば使い捨てのように次々と選手交代してゆくのは、経営的にはやむを得ないのかも知れませんが、電車好きにとってはどうしても割り切れない気持ちが残ってしまいます。


8 comments:

  1. chitetsu6000殿、おはようございます。毎朝お騒がせします。
    やっぱり、昨日の旭川のように鉄コレ16弾vs実車シリーズ続くのですね!
    鉄コレが発表されて実車の研究を始めるわたしやあいつらのような(爆)若輩者には願ってもない実車解説です!
    めちゃくちゃ楽しみにしております!

    ・・・しかし、貫通路をふさいだのは側引戸ですか、コレ(爆)!?
    模型でもしませんよ、こんなこと(核)・・・
    最後の一文、ほんとうにそうなんですよ。
    京阪3000も幌枠やスカートが外されてオリジナルの精悍さがなくなってますし、南海21001はどろどろだし・・・。
    大井川には行ってみたいと何度も思うのですが彼らの可哀想な姿を画像で見てがっかりして未だに訪問してません・・・・

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  2. イヌ6000どの
    鉄コレ16弾レビュー、もうちょっと続けようと思います。
    というのも、今回発売の車種はそれぞれに思い出があるのでまとめるには良い機会と思いまして。
    大井川の電車は昭和40年代から同じようなことを繰り返していますね。
    SE車も最期は無残でした。

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  3. 最近の「鉄コレ」の車種はどストライク!が多いのですね。素晴らしいです…

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  4. 穴熊さん
    鉄コレの車種選定にはつい手を出してしまうようなものが多く、いい餌食になっている気がします。

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  5. 北陸鉄道6000系は、富山地鉄や福井鉄道に続いて日車で製造された北陸私鉄湘南系顔自社発注カルダン車でした。
    下半分にも窓のあるドアや隣の車両とつながって見える貫通路など、意欲的なデザインがいいですね。
    しかし、早い時期での路線廃止に転属後のトレーラーとしての生涯と不遇な車両でした。
    同時期に生まれた富山地鉄や福井鉄道の車両が長期にわたって活躍し、一部は未だに現役であることを思うと、運命の違いを痛感しますね

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  6. 元・いきもの部長さん
    その頃日車で作られた地方私鉄向けの初期新性能車には共通した魅力がありましたね。
    地方私鉄が自社発注ができる勢いがあった最後の時代だったのでしょう、それぞれに新車にかける意気込みを感じました。
    折角のロマンスカーがこんな扱いを受けて不遇な運命を辿ったのは他の北陸2私鉄の同期生に比べて残念なことです。

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  7.  くたに号を架空設定で、「西武701系の床下機器類やモーターに換装して・・」、西鉄貝塚線の313Fのようなモーター音イメージで、現在の北鉄7000系と4連で走らせて見たい心境です。           
     大井川鉄道・・・今度は名鉄の5300系や5700系辺りが入線しそうな雰囲気が否めないです。
     2ドアでクロスシート・短編成・名鉄系列と言う理由からですが・・・。                           

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  8. SMEさん
    確かに今なら、「西武701系の床下機器類やモーターに換装して・・」頑張れそうですね。
    西鉄のモ313、この夏に乗車する機会がありましたが、下回りから聞きなれた西武線のモーター音がしたのにはちょっとびっくりしました。

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