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Friday, May 18, 2012

1980年春、北陸電車巡り 北陸鉄道 石川総線(1)

北陸電車巡り、続きをしつこく再開します・・・
富山港線を後にして富山からは北陸本線のEF70牽引のオハ35に揺られて次の目的地、西金沢に向かいました。
北陸鉄道石川線の接続する駅が金沢でなく一つ先(手前というべきでしょうか)の西金沢と中途半端なのは今の状態を見ると不思議ですが、以前は現在の終点野町から先に市内電車が中心部への交通として接続していたためです。
北陸鉄道も富山地方鉄道と同じく石川県下の鉄道を戦時中強制的に統合して生まれた会社です。
しかしながら、統合した各線のグレードは富山とはかなり格差があり・・・随分と貧弱な設備の路線の集合体でした。その中で一番グレードが高かったのがここ石川線でしょうが、それでさえこの1980年時点でも架線が路面電車レベルでしかありません。
ことほど左様に北陸鉄道は地方私鉄好きにはたまらないローカルチックな鉄道であったと思います。
モハ3741 80.3.10 鶴来
この電車で鶴来に到着しました。
元名鉄瀬戸線のモ900型で、当時の最新鋭車(今考えるとビックリ)です。
お顔はすっかり北鉄顔に変身しています。



モハ3703 80.3.10 鶴来
 こちらも元名鉄瀬戸線のモ700型で、お顔はすっかり北鉄顔に変身しています。
モ700はお隣の県の福井にも嫁いでいます。そちらも片側の運転台をバッサリ切り落とす荒療治を受けています。
どちらにしてもここまでいじられるとモ700とは思えません。
出目金みたいなヘッドライトがどう見ても不気味です。


クハ1722 80.3.10 鶴来
 これまた名鉄のお古です。
固定窓がこれでもか、と言わんばかりに思いっきりHゴム化されており、北陸鉄道のHゴムに対する執念?を感じてしまいます。好みが分かれるところですね。
クハ1721 81.9.2 新西金沢
こちらは同僚のクハ1721ですが、Hゴムの大きさも違えば側面窓もオリジナルの木枠のままでHゴムフェチの攻撃に遭っていません。
新西金沢でかなりひどい状態になっており、このまま廃車だろうと思ったら、僚車の事故で奇跡的に大復活しています。

ところでこの電車は名鉄の前身の一つ、愛知電鉄のデハ3300、超特急あさひ号として戦前は活躍した車両だそうです。車体は18M級の大型車で、日車製らしいまとまったスタイルをしています。
北陸鉄道にはクハ4両、モハ3両が在籍しました。
同型車は大井川鉄道に2両、豊橋鉄道に4両譲渡されています。
大井川鉄道 モハ309
83.10.20 新金谷
豊橋鉄道 モ1802
81.8.30 高師

上が大井川鉄道に行ったモハ309、下が豊橋鉄道に行ったモ1802です。
どちらも車体だけの譲渡だったので下回りは別途調達、特に豊橋鉄道のモ1800は丁度廃車になった国鉄飯田線のクモハ14の台車などが再利用されています。
クモハ14は1970年代初めには全廃されており遇えなかったので、この電車に乗ってその走りっぷりを想像したりしました。
大井川鉄道のモハ309は退役直前の姿ですが、良く原型を留めています。

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