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2015年7月26日日曜日

天空の田舎電車~リットナーバーン

以前、どこかの雑誌でチロルのような風景の中を行く木造の電車の写真を見たことがありました。
その時は、随分昔の写真なのだろうと思っていましたが、今回の旅行を計画するにあたっていろいろなサイトを見ていたら、その鉄道は今も現役であり尚且つ木造電車も現存しているらしいことが分かりました。
その鉄道名はリットナーバーンと言って、北イタリアのボルツアーノという場所にあることが分かりました。
私は風景のイメージからスイスかオーストリアかと思っていたので、これは意外でした。
地図を見たらボルツアーノはオーストリアのインスブルックからブレンナー峠を越えたところにあり、イタリアと言ってもオーストリアからすぐの場所でした。
また、その場所からはドロミテも見えるということなので、スケジュールを変更して訪問をすることにしました。

15.7.18 Oberbozen

リットナーバーンはちょっと不思議な立地です。
イタリア国鉄のボルツアーノ駅(262M)とは高さが1000m近く違うオーバーベーゼン(1220M)から出発しており、その駅まではこのゴンドラに乗らなければなりません。
正に天空の田舎電車です。

過去はボルツアーノ市街から道路を併用軌道で進み、その後ラック式の機関車で1000M上まで登ってから高原を走る、という鉄道であったそうです。
それが1960年代にラック式鉄道区間でのアクシデントがあって、ゴンドラに代替されて天空の高原区間だけが残ったという経緯があるそうです。


15.7.18 Oberbozen

ゴンドラで天空の駅・オーバーベーゼンに到着しました。
トラムタイプの電車が30分ヘッドで全線16分でのんびり走っています。

15.7.18 Oberbozen

オーバーベーゼンの車庫にお邪魔しました。
そこには目的の木造電車がきれいな状態で眠っていました。

15.7.18 Oberbozen

木造電車はタイプの違う2両が居ました。
おへそライトのこれまたすごいです。
現在もこの二両は可動状態にあり、週末などに走ることもあるそうです。
行ったのは週末でしたが、この日はお休み。
動く姿を見たかったです。

15.7.18 Oberbozen

沿線にはこんな渋い未舗装併用軌道風の区間もあります。
木製の架線柱も渋いですね。

15.7.18 Collalbo


終点まで乗りました。
電車は何と!吊り掛け式電車でした。
本当にゆっくりとしたスピードで余生を送るような走りっぷりです。
プラハのガンガントラムに乗った後だけに印象的でした。

15.7.18 Collalbo

因みにこの終点の駅付近の風景はこんな感じで、素晴らしかったです。


15.7.18 Linzbach-Wolfsgruben

沿線風景はこんな感じの区間が多く見られます。
こちらはドロミテを見ながら走る様子です。


15.7.18 Linzbach-Rinner

これで、電車が木造なら言うことは無いのですが・・・
それは、贅沢でしょう。

15.7.18 
Oberbozen-Linzbach

陽が傾き始めた高原風景。
実に美しい田舎でした。
約3時間ほどの滞在でしたが、このような世界もあるのだと体験できたのは良かったです。

6 件のコメント:

宵闇 さんのコメント...

車庫の中に置いてあるお臍ライトの木造電車の台車がリンケホフマン?なのが良いですね。

沿線風景も小海線や下仁田付近の上信電鉄、廃線になった長野の私鉄電車っぽく感じました。
これで吊り掛けとなると是非とも一度乗ってみたくなります。

chitetsu さんのコメント...

宵闇さん
この鉄道は不思議な存在でした。
恐らく、麓からの線路が絶たれたことでこんな古い電車が残っていたのでしょう。
沿線風景も麓のイタリアっぽい街とは全く異なるチロルの風景であったのも印象的です。

青春どM さんのコメント...

こんにちは
天空のこの景色をいく吊り掛け電車・・
ちょっとちびったんじゃないですかぁ(おまる決壊)

Cedar さんのコメント...

この電車、まだ残ってたんですね!10年ほど前にイタリアに行った時、時間作れずあきらめました・・・
でも、孤立線とはすごいですね。

chitetsu さんのコメント...

青春どMさん
このシチュエーション、ちびっちゃいました〜^o^。

chitetsu さんのコメント...

Cedarさん
やはり目を付けていたのですね。
ゴンドラ乗った山の上に電車が走っているというのはちょっと不思議な光景ですね。