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2014年11月19日水曜日

平面交差いろいろ

平面交差(ダイヤモンドクロッシング)は模型の世界では良く登場しますが、実物の鉄道の分岐器の中では特異な存在で、路面電車以外ではなかなかお目にかかれません。
アメリカでは多く採用されていたダイヤモンドクロッシングですが、国鉄では保安面から一部貨物線を除いて採用を禁止していましたので、それ以外の路線でも右倣えでよっぽどでないと採用されませんでした。

ウィキペディアから転載
ウィキペディアで平面交差を検索するとこの凄まじいダイヤモンドクロッシングの画像が目に飛び込んできます。
これは、アメリカはイリノイ州・シカゴのシカゴ交通局(CTA)に存在するダイヤモンドクロッシング+複線分岐です。

前回紹介しました加越能鉄道の平面交差は路面電車と非電化貨物線でした。
今日はそんな平面交差を集めてみました。


路面電車同士の平面交差は昔は国内でもいっぱい存在しましたし、世界的には現在も当たり前のように存在します。
しかしながら、軌道線と鉄道線の平面交差は架線電圧の問題もあって以前から少数派です。



過去には京都市内には色々な平面交差がありました。

私は見ていないのでkatsuさんサイトで見てください。

四条駅(京都市電と京阪本線⇒katsuさんサイト 京阪四条)

元田中駅(京都市電と叡電⇒katsuさんサイト 正月の京都市電

西大路三条駅(京都市電と嵐電⇒katsuさんサイト オリンパスペンで撮った京都市電


それ以外では、神戸の長田駅(神戸市電と山陽電鉄本線)、福岡の薬院駅(西鉄の城南線と大牟田本線)などで見られたものの、今では見ようと思ってもほぼお目にかかれなくなって来ました。鉄道線同士の平面交差は尚更実例が少ないです。


214(左)、615(右)
07.5.24 はりまや橋


最初は新生とさでん交通となったはりまや橋。
こちらの平面交差はたくさんあった路面電車の直交する平面交差の唯一の生き残りのようです。
このはりまや橋の平面交差は単純な平面交差だけでなく、渡り線も存在しますので見応えがありますね。

613車内から見たダイヤモンドクロッシング
07.9.22 はりまや橋

桟橋線車内から見たはりまや橋のダイヤモンドクロッシングです。
左右に渡り線があるのがわかりますね。

14.3.10 住吉

次は、阪堺電車の住吉の平面交差。
こちらは天王寺駅前への渡り線もあって見所が多いですが、平面交差を渡って駅前に行く電車は風前の灯火となってしまいました。

601 14.3.10 住吉

画面奥の電車は住吉公園からの電車。
この顔合わせは今では希少になってきました。


モ550 91.6.28 徹明町

次は路面電車の平面交差、廃線跡事例です。
こちらはこの撮影時点で既に廃線跡になっていた名鉄市内線の徹明町の平面交差です。


 91.6.28 徹明町

既に廃止になった長良北町方向から新岐阜方向を見たところです。
現役路線は右方向へ曲がって忠節に向かう複線の線路と左右に渡る美濃町線と忠節方向をつなぐ線路だけとなっていました。
左右方向の線路は基本的に営業用には使われず回送用として使われていました。

850 80.3.15 西宮北口

鉄道線、それも高速電車同士の平面交差は日本では一箇所しかありませんでした。
それはここ、阪急電車の西宮北口です。
どちらも運行頻度の高い上に片方は本線ですので、趣味的には楽しいものの運行管理者からは大変扱いが面倒な代物であったとは思います。
独特のジョイント音が印象的でした。

モ3791 83.3.1 東名古屋港ー大江

こちらは今尚現役の平面交差、名鉄築港線と名古屋臨海鉄道線との平面交差です。
こちらはどちらも運行頻度がそれほどで無いので、平和な平面交差と言えるでしょうか。

92.1.14 東名古屋港ー大江

こちらは上の写真から約10年後の同じ場所です。
ちょうどリニアの試験線が出来て、上下で交差するすごい状況になっていました。


2005 03.4.9 大手町

路面電車と鉄道線の平面交差の実例は伊予鉄道に現役で存在します。
こちらの大手町駅ではきっちり90度の複線同士の平面交差になっています。
これ以外にも伊予鉄道には古町の駅構内で同じように平面交差をしていますが、こちらは斜め横断をしていて、これまた珍しい線路風景ですね。

62 03.4.9 大手町

路面電車が鉄道線を渡ってゆきます。

62 03.4.9 大手町

渡りきって信号停車中の62号車。
どちらの電停も平面交差の手前に設けられています。

89.2.19 田浦

こちらは貨物線同士の平面交差です。
場所は田浦から出ている貨物線にありました。
線路は併用軌道ふうに道路脇を走っており、その途中にこの平面交差は存在します。
この貨物線はそれ以外にも道路と併用軌道状態でトンネルがあったり見どころが多いので、改めて紹介して見たいと思います。


91.8.4 R. conceicao

次は海外の平面交差を3題。
最初はポルトガル・リスボン市電の平面交差です。
狭い一方通行の道路に交互に線路が敷かれているので、交差点毎に平面交差が存在していました。

91.8.4 R. conceicao

リスボンの市電についてはこちらをどうぞ(⇒リスボンのポール電車)。


90.10.23 Weißes Roß

二つ目は路面電車と非電化ナローの営業線との平面交差です。
非電化ナローの営業線には未だに蒸気機関車が現役という凄い場所です。
因みにこちらの非電化ナローの営業線についてはこちら(⇒ドレスデンのトラム)。

90.10.23 Weißes Roß

トラムの線路を渡ったところにナローの路線の駅があります。


7079 11.8.12
 Piazza di Porta Maggiore

最後は路面電車と電化ナローの郊外電車との平面交差です。
場所は何とローマテルミニ駅からひと駅の所に存在します。
どちらの電車も結構頻繁にやって来て楽しい場所です。
(こちら⇒ローマのトラムローマのナロー電車)。


14.9.20 神崎川

因みに、これも平面交差でしょうか?????


14 件のコメント:

宵闇 さんのコメント...

電車の平面交差の日本での採用例の少なさにはそんな理由があったのですか。
初耳でした。
だからどこもかしこも交差の為に築堤やら、トンネルを掘る等わざわざ金を掛けていたのですね。

平面苦労わんわん さんのコメント...

そそります!西宮北口はもう見れないけど、
東名古屋港ー大江もステキですねー!
逝ってきます!

モハメイドペーパー さんのコメント...

 その昔、品川駅前から都電の1系統に乗れば、新橋、銀座4丁目、京橋、日本橋、室町3丁目、須田町、万世橋、上野広小路と平面交差だらけでした。
 ここを昼間の空いている時、8000形で乗り通すと、首がペコちゃんの人形のようになったのです。

chitetsu さんのコメント...

宵闇さん
欧米のフレキシブルな考え方と日本はいろいろな面で違いますね。
安全を優先するのは大事な事ですが、面白みには欠けますね。

chitetsu さんのコメント...

平面苦労わんわん殿
毎回HN作り、お疲れ様です〜。
このようなHN作り、どのくらい時間かかっているのか考えると夜も眠れません〜!

chitetsu さんのコメント...

モハメイドペーパーさん
都電の平面交差なんて山のようにありましたね。
それが今や全国で数例と言うのは寂しい事ですね。

Cedar さんのコメント...

平面交差はやはりそそられますねえ!
自分も画像集めてみようかな…
かっての京阪は京都市内に3ヶ所、大阪市内に1ヶ所市電と平面交差があったのは凄いですね。昇圧が遅れた理由のひとつだったとか…

原口 悟 さんのコメント...

平面交差の中でも興味深いものがサンフランシスコのケーブルカーにあります。
 現在残っているサンフランシスコのケーブルカーは南北方向のPowell Streetを走るPowell-Mason線、Powell-Hyde線と東西方向のCallifornia Streetを走るCalifornia線があり、Powell StreetとCalifornia Streetの交差点にケーブルカーの平面交差があります。
 サンフランシスコのケーブルカーは地下を循環するケーブルを「グリップ」で挟んで推進するのですがPowell StreetとCalifornia Streetの交差点ではケーブルも交差しており、California Streetのケーブルの方が上を走っています。このため、Powell Streetのほうのケーブルカーは交差点を通過するとき、一旦ケーブルを離してCalifornia Streetのケーブルをまたぎ越し、また掴むという独特なグリップの操作が要求されます。
 また、Powell StreetからMason線とHyde線が分岐するところも独特の構造で、一旦軸をずらした4線軌条のような形(または名鉄瀬戸線で見られた「ガントレット」のような形)になり、そこから分かれていくような配線になっています。

写真で紹介された平面交差の中では、土佐電鉄のはりまや橋の平面交差は2年ほど前に高知へ出張した折に見ています。

電車線同士の平面交差だと架線電圧は大きな制限になるようで、伊予鉄道は郡中線と横河原線は750Vなのですが、市内線と平面交差のある高浜線は600Vで、電車線の車輌は電気品は750Vに合わせてあり、高浜線へは150Vの電圧降下を無視してそのまま直通させています。京都市内には確か京阪電鉄と京都市電の平面交差(当時は京阪電鉄本線は「軌道」扱いなので法制上は一応軌道同士の平面交差)があったのですが、当時の京阪電鉄は600V(1500V昇圧は1980年代にはいってからのこと)で京都市電と架線電圧は同じでした。

一番下の写真ですが、横切っているのは高潮対策の防潮堤のレールでしょうか。防潮堤は東京晴海のものを見たことがあります。

chitetsu さんのコメント...

Cedarさん
京阪電車は歴史的経緯から平面交差が多かったですね。
大阪市内の平面交差はいつ頃まであったのでしょうか?
市電とのご対面シーン、私も見たかったです。

chitetsu さんのコメント...

原口さん
ケーブルカーの平面交差があったなんて、知りませんでした!
グリップを放してから再び掴むまでは交直切り替えのように惰行するのでしょうか?
見てみたいです。
神崎川のものは防潮堤のレールですが、場所柄西宮北口を連想させました。

元・いきもの部長 さんのコメント...

子供の頃、都電の平面交差は当たり前の光景でした。
通過音を懐かしく思い出しました。
都電といえば、EB10の走る貨物線との平面交差がありました。
比較的近くに住んでいたのですが、小学生には訪ねることなど考えもしませんでした。

chitetsu さんのコメント...

元・いきもの部長さん
都電を含めて路面電車の平面交差は当たり前の光景だった気がしますね。
今回改めて調べてその現存事例の少なさにビックリしました。
王子の平面交差、その交差点にある消防署の仕事で付近の貨物線の痕跡を見て回ったことがあります。

C6248 さんのコメント...

日本では平面交差と言えば軌道線のそれを思い浮かべますが、意外と少ないのですね。ここに上がっていたもの以外に広島電鉄にもあるかと思って探したら全くありませんでした。分岐なら6か所ほど、吊り掛け電車ならまだ少し待てば乗れるほどある(ただし戦前型は近年数を減らしつつある)のですがね…。しかし本線での採用例の少なさの理由は初耳でした。道理で少ないわけですね。模型の世界では狭い空間で走行距離を稼ぐために多用されていますが…。

chitetsu さんのコメント...

C6248さん
私もひろでんならあるんじゃないか?と思いましたが無いんですね。
意外とありそうで無いのが現代の平面交差ですね。