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2013年1月19日土曜日

京王帝都のグリーン車ラインナップ その2・2700系

グリーン車ラインナップ、その2は吊り掛け車グループの2700系です。
2700系はちょっとマニアックにまいります。

2700系は1次~5次にわたって新造されており、窓まわりを中心に外観が異なりました。
・1次車 : 高抗張力鋼試作時期で、外観はのっぺりした通常のスタイル。
・2次車 : 高抗張力鋼全面採用で上窓Hゴム固定当初窓の上中下にリブがあったスタイルで多         数派。
・3次車 : 2次車と同形態で、クハのみ新造。
・4次車 : 上窓がHゴム支持ながら上昇可能な構造に変更。
・5次車 : 1962年にサハだけ2両新造した。構造は2010系と同様。

技術の変革が進んだ時期を反映して様々な試行錯誤が繰り返された時代らしいバリエーション展開に結果的になっています。
2700系電車は系列だけでの単独運用はなく、全て2000・2010系と併結されて編成を組み運用されていました。

クハ2776 80.6.2 代田橋
代田橋を出てゆくクハ2776。
この駅は新宿から近い割に郊外電車らしい駅の雰囲気が残っていました。

クハ2782 79.7.10 代田橋
4次車のクハ2782。
上段窓がHゴム支持ながら上昇します。

クハ2775 79.7.10 代田橋
こちらは3次車のクハ2775。
上段窓はHゴム固定で上昇しません。

クハ2774 79.2.28 代田橋
こちらはマシュさんからリクエストいただいたクハ2774。
客引き戸が更新されています。
このクハ2774の入った編成は中間にデハ2703、2704、その後ろにクハ2773と唯一2700系で4連を組んでいた編成でした。

デハ2058 79.2.28 代田橋
編成相方のデハ2058側から見た写真です。
2000系2連の後ろに2700系4連が繋がった様子が良く見ると見えるかと(わからないかも)思います(因みに編成は2058-2008+2773-2703-2704-2774でした)。
マニアックですみません・・・。

72.11現在の編成表
2700系4連は㊼の一本のみ。
因みに1972年現在の編成表が鉄道ピクトリアル73年2月の京王帝都特集号に出ていましたので参考に転載しました(問題あるようでしたら抹消いたします)。
㊼編成がそれにあたります。1972年当時は2連の相方も2700系だったようです。
他にも井の頭線転用の1400形が健在だったり、2700系+2600系の4連という変な編成を含めて2600系も元気だった模様がわかります。

デハ2712 79.7.10 代田橋
デハ2712。
2次車の中間車改造車で外板張り替え、窓枠交換がされています。

デハ2703 79.7.10 代田橋
デハ2703。
1次車の中間改造車で外板は普通鋼製です。
上記の㊼編成にデハ2704と合わせて組み込まれていました。

デハ2704 79.7.10 代田橋
デハ2704。
デハ2703と同じながらパンタの向きが新宿方で異なります。

デハ2706 79.2.28 代田橋
デハ2706。
上と同じ1次車中間改造車で、台車がTS101Bで上記2両とは異なります。
プレスドアが二種類混在するのは、国電では当たり前に見られましたが、私鉄ではこの不揃いなのは珍らしいことでした。


デハ2711 80.6.2 代田橋
中間車改造を受けなかったデハ2711。
2次車で、上下にリブが残ったスタイルで割合原形を留めています。

デハ2711 80.6.2 代田橋
同じくデハ2711の正面。
デカ目二灯の前照灯が残っていますが、棒連結器に交換され、完全に中間封じ込めになっていました。

デハ2711 81.7.12 若葉台
その後、まだ線路以外何もない状態の若葉台のヤードの隅にぽつんと置かれていたのを見つけ、望遠で撮ってみました。
保存目的と思われますが、今も残っているのでしょうか?

クハ2778 80.6.25 聖蹟桜ヶ丘
クハ2778の車内。
2700系のトレーラーは床が最後まで木でした。

クハ2778 80.6.25 調布
調布で緩急接合で停車中のクハ2778。

12 件のコメント:

吊り掛け式グリイーヌ車 さんのコメント...

chitetsu殿、おはようございます。
スゴい記事になってしまいましたね(爆)。
一読ではなにがなんだかわからんかったんですが何回も読み返し、なんとなくわかってきました。
2700が来たらがっくりした記憶も甦ってきましたが(爆)、乗る車両を選べばカルダン車があったんですな・・・
どんどん模型が欲しくなってきました。
特にリブ付きがたまりません!

chitetsu さんのコメント...

吊り掛け式グリイーヌ車殿
おはようございます。
デカ目2000のお話がきっかけでしたが、京王のグリーン車のことはどこかでまとめようと以前から思っていたのでいい機会でした。
京王帝都の人は何故かカルダンと吊り掛け式の連結に執念持っていたかのようにわざわざ混ぜています。
全体で性能の均一化を図ったのでしょうか?
リブ付きの2700、最初はなんじゃこりゃ!と思いましたが、自分も模型が欲しいっす。

マシュ さんのコメント...

chitetsuさん、リクエストに応答して頂き、ありがとうございます。
2700形の貫通4両編成画像、しかも中間車まで撮影されていたとは!
見てるうちに、NかHOで製作したくなりました。

旧形車の宿命なのか?旧形車だからやっつけ作業なのか?
京王を始め東急3450形もそうですが、どうせ貫通編成にするなら、
上段Hゴムのみの編成、リブ付ならリブ付だけの編成を組むとか、
もうちょっと外観の揃った編成を組んでくれたらと何時も思います。

棒連結器、あんなに間隔が開いてると、目立ちますね。
これが本当の棒連結器だ!と主張してるような(笑

昭和47年の編成表で52番は1400形と1800形の全M編成ですね。
表の表示で見ると1400形は後パンタだったのでしょうか?


また京王特集をやるようでしたら、是非1800形や1900形が見たいです。

匿名 さんのコメント...

いよいよ2700系、だんだんとディープな世界に入ってきましたね。

2700系1次~5次車の内訳は以下のようになっています。
・1次車 : デハ2701~06、サハ2751~53
・2次車 : デハ2707~20
・3次車 : クハ2771~77
・4次車 : デハ2721~24、クハ2778~84
・5次車 : サハ2754~55
このうち、サハ全て、デハ2713~24、クハ2771、クハ2783~84の20両が2010系用のサハ2500系に改造されました。
(デハのうち5両は、一度クハ2785~88・90へ改造後に再改造)
残った23両は、デハ2701を除き車号末尾を揃えて編成されました。
よって、車体形態が揃っていたのは、デハ2707-クハ2777の1編成だけだったと思われます。(実物画像を確認できず)
それから、外板張り替えと窓枠交換が実施されたのは、中間車改造車のデハ2708・10・12とクハ2773です。
つまり、デハ2703-クハ2773も似たような外観になったですが、外観の異なるクハ2774を含む4連だったので揃いませんでした。(こちらはchitetsuさんの画像のおかげで確認できました。)

若葉台に1両残されたデハ2711は、デワ221に改造され1986年まで健在でした。
よく見ると台車がNA-4系からTS-101系に交換されていますね。。
2700系はよく台車交換が行われていましたが、複雑かつ資料不足でとても全貌を把握しきれません。

次はディープの極致、サハ2500系でしょうか?
デハ2717→クハ2788→サハ2516およびデハ2719→サハ2566は外板張り替えで側面のリブが完全になくなり、編成を組むデハ2016・66と見事な編成美を見せてくれました。

Cedar さんのコメント...

出ましたね!京王の中でも大好きだった2700系。
リブのあるグリーンの車体にオレンジ色のHゴムの窓サッシ、アメリカの地下鉄みたいで良かったなぁ~。こうやって体系的に見せて戴き、ありがとうございました。

chitetsu さんのコメント...

マシュさん
こんばんは。

喜んでいただけて、良かったです。
撮ったまま箱の中で寝ているだけの存在のネガもこれで浮かばれるというものです。
京王線のグリーン車の改造はかなり場当たり的な感じで、2500は細かく見ればきっと一両毎に個性があったと思います。
このようなことは旧型国電ならいざ知らず、大手私鉄にしては当時でも珍しかったのではないでしょうか?
棒連結器で繋がれた湘南顔同志の連結面、すごく開いていて模型みたいだと思って写真を撮った気がします。
1400形は後ろパン車がいました。
私は桜上水に止まっているのと、余剰車になって八幡山の高架線に長らく留置されていたのを見た記憶があります。

1800、1900は只今鋭意編集中です。
また見てください。

chitetsu さんのコメント...

匿名さん
こんばんは。
コメント・解説ありがとうございます。
クハ2773はクハで唯一外板交換されていたのですね。今回前後の車両の写真見ててなんかおかしいと思っていました。
中間に挟まっていたので撮らなかったのが悔やまれます。
若葉台のデハ2711、台車交換されているのはご指摘まで気づきませんでした。
この電車、まだ残っていて新生京王れーるランドで見れるのかと思ってましたが、もうこの世にないのでしょうか?

次回アップは予想通りの2500です。

chitetsu さんのコメント...

Cedarさん
毎度コメント頂戴し、ありがとうございます。
2700系、良いですね。
模型で手元に残したい車両ですが、未だ製品化されない系列ですね。
もうじき来そうな予感(期待)をしているのですが。
他ではあまり見なかったオレンジ系Hゴムとグリーンの車体、独特の魅力がありました。

元・いきもの部長 さんのコメント...

すみません、またやっちゃいました。
名前を入れずに投稿してしまいました。

ところで、未確認としたデハ2707-クハ2777ですが、手持ちの本で確認できました。
車体形態が揃っていました。
巻頭のカラーページだったので、上窓の白いHゴムがよくわかりました。
(私鉄電車のアルバム2A 交友社刊)

chitetsu さんのコメント...

元・いきもの部長さん
匿名はいきもの部長さんだったのですね。
大変お詳しく、勉強になりました。
クハ2777は私も唯一撮り逃ししています。
私鉄電車のアルバムはバイブル本ですね。
私も何かあるたびに見ています。

いぶ さんのコメント...

はじめまして。いぶと申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

いま話題になっている京王2700系ですが,懐かしい記事と写真を、うれしく拝見いたしました。
ありがとうございました。

さて、代田橋での写真のクハ2782ですが、正面窓のガラスの下辺とサボ受けの金具の間に、小さな長方形のものが2つ在るのにお気づきでしょうか?

事故復旧の際に(だったと思います)、新しく設置した外気取り入れ口のフタです。
2010系の2次車以降や井の頭線3000系の更新前にあった、あれです。

2700系の他車に波及することなく、クハ2782のみに終わりました。

以上、先刻ご承知の小ネタでしたら、失礼いたしました。

chitetsu さんのコメント...

いぶさん
はじめまして。
クハ2782の正面に空気取り入れ口が設けられているのは、コメントいただくまで気づきませんでした。
確かにほかの車両にはついていないですね。
狭いスペースに良く付けられたものですね。
コメント、ありがとうございました。